たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

ガンダムビルドファイターズトライ 第23話「ビルド・ファイター」感想

前シリーズ視聴済み。
(以下ネタバレ)

あらすじ

勝戦を控えるセカイ達は、準決勝で大破してしまったガンプラの修復作業に追われていた。セカイともに作業を進めるユウマだったが、彼の心中には、未だに埋まらぬガンプラ学園と自分達のガンプラとのレベルの違いをこのままにしておいていいのか? という疑問が渦巻いていた。一念発起したユウマは、セカイとフミナのガンプラを奪うように持ち去り、土壇場でのチューンアップを進めるべく一人部屋にこもってしまう。
同じ頃、ガンプラ学園側もネメシスとの戦いで傷付いたガンプラの修復を進めていた。特にダメージの大きかったキジマに対し、シアは修復の手伝いを申し出るが、ビルダーとしてもファイターとしてもより高みを目指す決意を新たにしていたキジマはそれを断ってしまう。
ユウマに部屋を追い出されてしまったセカイは、彼の為に買い出しに行った帰り道、ジュンヤの待ち伏せを受ける。真意を問う暇もなくセカイに躍りかかってくるジュンヤ相手に防戦一方になるセカイ。遂にはジュンヤの「無数に増えて見える手刀」を受け倒されてしまう。薄れゆく意識の中、セカイは「この技を覚えておけ」という言葉を残し立ち去るジュンヤを見送る事しか出来なかった。
――セカイが意識を取り戻すと、そこにはシアがいた。シアの口から、キジマが一切の手伝いを断り手ずからガンプラの修復に集中している事を伝え聞いたセカイは、そこに自分が理想とする姿があると確信する。ファイターとしての実力は本物であるものの、ガンプラに対してはまだまだ初心者な自分、それを改めて自覚したセカイは、シアに対しその思いを口にする。
一方のシアも、セカイとよく似た思いを抱いていた。ビルダーとしては超一流であるが、ファイターとしては兄やアドウに一歩劣る、自分をそう定義していたシアは、セカイの言葉に自分も同じ高みを目指そうと決意を新たにする。一流のビルダーであり最強のファイターである存在、「ビルド・ファイター」を目指す事を――。


感想

決戦前夜らしいエピソードでした。
改めて、セカイの人となりというか、この作品における彼に一貫した姿勢――ガンプラバトルで自分の力がどれだけ通用するのか知りたい、そしてガンプラの事をもっと知りたい――を描いてくれた事は素直に評価したい所ですが、ここまで紆余曲折あったせいで、セカイのそういった真っ直ぐさをきちんと受け止めてくれている視聴者がどれだけいるのかな、と不安にも思い。
例えば、ユウマかフミナのどちらか、もしくは第三者の誰かがセカイの「ガンプラ師匠」的ポジションに立っていればもう少し印象は違ったのではないかな、と。レイジの傍らに常にセイが寄り添っていたように、二人三脚な状態というか。多分、前シリーズのファンの一部には、セカイがバトル優先の馬鹿のように映ってしまっていて、その事が批判の原因にもなっているのではないかと愚考いたします。もちろん、今回描かれたように、セカイはガンプラを軽視せず常に真摯な態度で臨んでいたのですが、その事がうまく視聴者に伝わっていたかどうかは少々疑問。

そして何だかスタート地点はセカイと反対側ながらも、目指すゴールは同じ、という完全なヒロインポジションにシアがおさまってしまって、あれこれフミナパイセンとかギャン子さん*1完全敗北フラグ? となってしまってフミナ派としては――まあ、シア可愛いからいいか!(ぉ

他方、ユウマはミナトとのわだかまりが無くなった事でようやく覚醒してくれた、というか君がグダグダやってたからビルダー要素が薄かったんじゃないのこの作品? とか色々思ってしまうのですが、どちらかというといまいち存在意義が見いだせないフミナの方が問題なような気もしますね。所々リーダーとしての振る舞いをしてきてくれましたが、なんだか立ち位置が中途半端というか。レディが彼女に目をかけている理由も今となってはよく分からないな、というのが正直な所。もう少しあからさまに、ビルダーとしてもファイターとしても一流なんだけれども、ビルダーとしてはユウマに敵わず、ファイターとしてはセカイに負けてしまう自分に葛藤する描写とか増やしてくれてたらキャラに深みも出たのでしょうに。
もちろん、一応は「二人のサポートに徹する(キリッ」からレディに諭されて自分自身を高める決意を固めた経緯はありますが……なんだか初期のフミナって、ビルダーとしてもファイターとしても無能で、逃げ道として二人のサポートに徹する案を出していたような節があるので、いまだに「なんで全国大会で渡り合えているの?」感が禁じ得ないんですよね。プラモ部部長に苦戦したりしてたし。これがもし、最初の段階で「自身は全国レベルで周囲からも評価されているが部員に恵まれず初戦敗退を重ねている」という描写を強めてくれていたなら、全く変わった印象になったのにな、と。分かりやすく言うとスラムダンクにおけるゴリポジションにフミナを置いたら分かりやすかったのに、と。

ああ、でも前回と今回でフミナの新たなポジションは固まりつつあるのかもしれませんね。ユウマとミナトのボケツッコミ小競り合いを何だか腐った眼で見ている節がありますし、これは次の夏はフミナによる薄い本が出版されるフラグですな!(違
何気にツンデレ兄弟子とどう見ても総受けな弟弟子というシチュも近くに転がってますよ、フミナさん!(ヤメ

*1:ギャン子さんなんて、セカイが現れた途端に髪を気にしていじりはじめたりするくらい乙女なのにw