たこわさ

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アルドノア・ゼロ EP22「邂逅と訣別 -Out of the Past-」感想

1クール目視聴み。
(以下ネタバレ)

あらすじ

月面基地を訪れた火星からの来訪者、それはクルーテオ伯爵の息子クランカインだった。突然の訪問を警戒しつつも、皇帝派である彼を懐柔できれば大きな戦力となる、そう考えるスレインだったが、クランカインの底は見えない。

時を同じくして、地球側による月面基地攻略作戦が開始されようとしていた。相も変わらずデューカリオンを都合よく使おうとする軍上層部に不満を隠せないクルー達だったが、当然マグバレッジ艦長は使い捨てられる気などない。艦長と伊奈帆は、この作戦の裏に隠された真の意図を感じ取り、上層部を出し抜くべく策を弄する。

戦いが始まると伊奈帆達の予想通り、デューカリオンら前線部隊を囮にし、その裏で別働隊が月面基地への潜入を果たしていた。彼らの目的は「アセイラム姫の暗殺」。その凶行を止める為、仲間達の協力を得た伊奈帆は単身月面基地へと降下する。

その頃、軟禁されていたアセイラム姫とレムリナ、エデルリッゾの三人は、地球側暗殺部隊の侵入を予見していたスレインの手により、安全な場所へと移送されようとしていた。しかし、スレインの予想よりも暗殺部隊の行動は早く、アセイラム姫達は部隊に見つかってしまう。応戦する護衛達の手により逃がされたアセイラム姫達は更に奥へと向かおうとするが、レムリナがついてこない。「自分にとってはここが唯一の逃げ場」と語るレムリナは、姉とエデルリッゾを逃がすべく隔壁を下し自分は内側に残ってしまう。隔壁が閉まるその瞬間、レムリナが姉に見せた表情は、恨みのこもったそれではなく親しみのこもった優しい微笑みだった――。

一方、基地への潜入を果たした伊奈帆は、義眼の力を使って基地の内部構造分析し、アセイラム姫の居場所を特定しようと動き始めていた。しかし、義眼を使いすぎた彼の体には大きな負担がかかっており、既に限界に達していた。それでも力を振り絞り前へと進む伊奈帆の前にスレインが現れ、銃撃戦となる。共に一人の少女――アセイラム姫を求めてやまぬ二人だが、その道は決して交わらない。その事を再認識した二人の戦いは熾烈を極めるが、その場を離脱する事を優先した伊奈帆の策により、決着のつかぬまま戦いは終わる。
スレインから無事逃れた伊奈帆だったが、その体は既にボロボロだった。しかし、彼は遂に辿り着いた、求めてやまなかった少女のもとに――。

感想

相も変わらずデューカリオン隊を都合よく使いつつ、その裏で悪事――ただし彼らにとっては正義――を働く地球軍上層部でしたが、マグバレッジ艦長と伊奈帆という策士コンビには全て見破られている所がなんとも無能感あふれていて、悲しいため息が出てきます。マグバレッジ艦長もユキや韻子達他のクルーも、伊奈帆のアセイラム姫を助けたいという願いを知った上で手助けするのは、伊奈帆への信頼、そして彼が信じるアセイラム姫を自分達も信じようというという思いの表れなのでしょうか。はっきり言って、最早地球上にはアセイラム姫を受け入れてくれる場所はないはずですが、それでもきっとデューカリオンのクルー達は彼女を迎え入れてくれるのではないか、そんな淡い期待を抱いてしまいます。

さて、今までも義眼の力を使い過ぎて苦痛に苦しんでいた伊奈帆ですが、どうやら彼の体は既にその負荷に耐えきれないようで、アセイラム姫――彼にとってはセラム――を見つけ出した安心感からか、遂に倒れ伏してしまいます。それでも、義眼のAIらしき存在がアセイラム姫を救うべく働いてくれたところをみるに、今までも伊奈帆は「彼(彼女?)」との対話を重ねてきたのでしょうね。スレインとの銃撃戦の前後に、何やら警告音のようなものが出ていましたが、あれは伊奈帆に「無理すんな」と呼びかけていた訳だ。なにその萌えAI。
しかし、いくら火星側の技術を応用したからと言って、そんなオーバーテクノロジーな代物を、地球軍が作り上げられたとはちょっと信じられませんね。残り話数も限られていますから、更に新たな謎が明かされる、なんて展開はちょっと考えにくいですが、案外あの義眼くんには物語の根底にまつわる秘密が隠されているのか、などと益体のない妄想がわいてきました。

AIを介してとはいえ、遂にお互いの気持ちを伝えあった伊奈帆とアセイラム姫。ここでようやく、虚淵氏の原案にあったという「伊奈帆と姫が恋仲になる」という設定を回収した訳ですが、紆余曲折しすぎだろう、とw しかも、お互いに直接伝えられなかったという点は、このまま二人が二度と会えない事への伏線のようにも感じてしまい。是非ともそんなフラグはへし折ってしまってほしいものです。が、1クール目の引き方を見た後だとなんというか、スタッフへの不信感が……。素直に「再会できてよかったね」と目を潤ませたいものです。

姫がAIくんに託したもう一つの言葉、というのも気になります。多分、スレインに関する事なのでしょうが……。

クルーテオの息子クランカイン卿の動きも気になります。父親とは違って柔和なイメージを持つ彼ですが、どうやら腹芸が出来る所も父親とは違うようで。スレインとの化かし合いもどちらかというと彼の勝利に終わっていた印象も。ヴァース皇帝の容体が芳しくない、という情報自体は本物なのでしょうが、彼はそれをスレインへの探りを入れる為のカードとして使っていた節があります。タルシスを見上げて固めた拳からは、父親の死の真相を、ある程度察しているのではないかと感じさせる雰囲気がありましたし。そして最後にアセイラム姫をスタイリッシュなアクションで救って見せるという有能振りを見せつけてくれましたし、こいつは逸材ですな。なんかそのまま姫を火星まで連れ帰ってしまいそうな気もしますがw もしくは、かなり可能性は低いものの、父親が最後に出していた命令、「地球との休戦を」という言葉が遠く離れた火星にいた彼のもとにも届いていて(クルーテオの揚陸城と何らかのホットラインがあってもおかしくない、という妄想)、その言葉の真意を探り、場合によっては父の意志を継ぐ腹づもりがあったりして……。

今回は実に緊迫したシーンの連続でしたが、その中で、姉・アセイラム姫へのわだかまりを捨て、姉妹の情でもって彼女を逃がしたレムリナの儚い笑顔が対照的に際立っていました。伊奈帆とアセイラムとの再会シーンと同じくらいに印象深かったですね。でも、これでレムリナがしれっと敵として再登場したら実にがっかりな展開なのですがw