たこわさ

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東京喰種√A 第8話「旧九」感想

原作一部既読。第一期視聴済み。
(以下ネタバレ)

あらすじ

カネキが芳村を訪ねた理由、それは「隻眼の梟」についての情報を得る為だった。カネキに問われた芳村が語った「隻眼の梟」の真実――それは、かつて喰種も人間も敵に回し孤独に戦ってきた一人の喰種が人間の女性と出会い、愛し合い、やがて授かった「奇跡の子」であるという事。そして「隻眼の梟」の父親は他ならぬ芳村自身であるという事だった。
自らの後悔から、人間との共存を目指してあんていくを開いた芳村だったが、彼が得た安らぎの時間も間もなく潰えようとしていた。高槻からの情報によりあんていくを訪れた篠原が、その「勘」からあんていくの真実を見抜き、CCG内部であんていくへの包囲網を敷いていたのだ。最後の確認の如くあんていくを再訪した篠原に、芳村はただ静かにコーヒーを振る舞い、そしておいしいコーヒーの淹れ方になぞらえて、自分達喰種と人間とのあり方についての持論を語る。芳村の言動から彼の覚悟を読み取った篠原は、遂にあんていくに対する作戦を立案し――。


感想

芳村が人間との共存を考え、争いを好まない喰種の楽園としてあんていくを築いたその理由、それがかつて人間の女性と結ばれ、彼女の「決断」により得た「奇跡の子」を授かったものの、妻も子も失ってしまったという悲しい過去に基づいていたとは……。そんな彼だからこそ、篠原の素性と目的を知りながらも、誤魔化す事はなく、しかしたとえ話として自らの飾りない信念を語ったのでしょうね。そんな芳村の覚悟と人格に一定の敬意を払いつつも、CCG捜査官としての職務を崩さない篠原もまた実に誠実な人物。もし、彼のような人間が芳村の傍にいてくれたのなら……などと思ってしまう程に。
ほどなく訪れるであろう、あんていくの破滅を予見し、トウカとヒナミを「ビルの改修」という方便で危険から遠ざけ、また書類の全てを処分させ、まさに末期の覚悟を決めた芳村。おそらくはCCG側へも抵抗らしい抵抗をせずに命を差し出すつもりなのでしょうが、果たして彼の勇気ある行動を人間側が汲み取ってくれるのか……。そして、彼が守る為に遠ざけたトウカとヒナミは、戦いから逃れることが出来るのか。事が起こった時に、カネキは一体どうするのか。物語は一つの結末へと近づきつつあるようです。