たこわさ

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アルドノア・ゼロ EP18「深い森を抜けて -The Rose and the Ring-」感想

1クール目視聴み。
(以下ネタバレ)

あらすじ

ルキナス伯爵が駆るカタクラフトの長距離光学兵器を前に攻めあぐねるデューカリオンは、カタクラフト部隊を出撃させる。建物と煙幕に隠れながら攻撃する鞠戸達だったが、圧倒的に不利な状況は覆らずセルキナスは余裕の表情を隠せない。しかし、鞠戸達の攻撃が続く陰で、生身で戦場に潜む伊奈帆が義眼による目視で敵を捉え、そのデータをもってデューカリオンが砲撃するという真の作戦が進行していた。
途中、レーザー通信の中継器が破壊されるも、伊奈帆の指示により銃撃でデューカリオンに座標を報せるライエ、そして果敢にも敵を真正面から引き付けその動きを封じたユキの働きにより、砲撃は見事に着弾、敵を撃破する。

一方、月面基地ではスレインとマリルシャンの決闘が始まっていた。未来予測能力を持つスレインのタルシスだが、マリルシャンのカタクラフトは無数の移動ビーム砲台による全方位からの攻撃を得意とし、タルシスの予測能力をもってしても全てを躱しきるのは難しかった。次第に追い詰められるスレイン。だが、自身の能力を過信したマリルシャンは、スレインの策を見破れずにまんまと死地に誘い出され――。

スレインとマリルシャンの決闘後、アセイラム姫に成りすましたレムリナ姫はスレインの策謀に手を貸し、自らがスレインを夫に迎え、地球上に新たな国家を設立する事を宣言。事態はいよいよスレインの思惑通りに進むかと思われた。だが、その裏でレムリナは、いまだ眠り続ける本物のアセイラム姫の生命維持装置に手をかけ――。

感想

姉を抹殺しようとするも、最後の最後で姉妹としての最後の情を優先させたレムリナですが、その事が早速裏目に出そうです。レムリナが去った後静かに目を開いたアセイラム姫ですが……目覚めても意識があるとは限らないし、意識が戻ったとしても記憶に障害がある可能性もあるわけで。自分の意志で物語に関わることが出来るのは、もっと後のことかもしれません。まあ、どちらにしろレムリナは後悔する事になるのでしょうが、スレインの態度によっては彼女にも救いが……ないかもしれない(苦笑)。
さて、アセイラム姫(レムリナ)の宣言により、スレインの目的の一つが「地球圏にアセイラムを女王と戴く国家を建設し火星から独立する」事だというのが判明しましたが……そこで君が夫になる必要はあったのかね? と小一時間問い詰めたい。結局のところ、スレインはアセイラムが求めた「平和な地球」を結果論として成立させ、また自分自身の姫への思慕を、例え偽りのものだとしても彼女と婚姻を結ぶことによって結実させたかっただけなのかな、と。いや、まだ話数は残っていますので、彼の最終目的は別の所にあるのかもしれませんが、「奇跡なんて起きない!」「理想なんて持っていない」という彼の言葉を聞くに、嘘で嘘を塗り固めた先に彼の願いがあるのではないかな、と思ってしまいます。

スレインが策謀を巡らせ、人との縁を自分の願望をかなえるために利用している一方、伊奈帆は人との絆を着実に自分の力としていっているように見受けられます。軍属となって一線に立ち続ける自分を非難する姉・ユキに対し、どこか突き放した態度をとっていた伊奈帆ですが、やはり戦場で彼女が危険な目に遭えば、あっさりと姉思いの本性が露呈してしまうのですから、そりゃあユキさんも苦笑いしつつ弟へのわだかまりを捨て去りますわな。
そして伊奈帆とライエが捕虜だったマズゥールカを逃がす現場を目撃し、疑心暗鬼にかられていた韻子の気持ちをちゃんと察していて、少ないながらも彼女が納得する言葉で不安を取り除く伊奈帆さんマジイケメン。流石に察しが良すぎるだろう、というツッコミも入れたくはなりますが、2クール目での伊奈帆の一貫した「他人への思いやりを素直に表明する」態度をみていると納得せざるを得ないな、と。
ただ、「でも、本当に知りたい事は何も見えないんだ」は韻子の前で言っちゃいけない言葉のような気が。だって彼にとって本当に知りたいけれども今現在は全く分からない事って、間違いなくアセイラム姫の事なわけで。まあ、韻子の事を信頼しているからこその弱音なんでしょうが、それでも韻子がちょっとかわいそう。

一方、伊奈帆からアセイラム姫の事を託されたマズゥールカ伯爵はまだ砂漠を彷徨いつつ、伊奈帆とスレイン、どちらが真に信頼に足る人物だろうなー、とモラトリアムの最中なのでした。あんたにはガッカリだーw

しかし、今回EDの止め絵からCパートに繋げる演出は実に秀逸でした。