たこわさ

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Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #06「蜃気楼」感想

原作プレイ済み。ディーン版及びFate/Zero視聴済み。原作ネタバレにならない程度で補足説明など交えて。
(以下ネタバレ)

あらすじ

凛と一時休戦する事になった士郎はアーチャーの護衛を受けて帰宅の途に就く。自身への殺意を隠そうとしないアーチャーに反感を覚える士郎だったが、彼の心中を見透かしたかのように英霊という人類の奴隷についての在り方を語るアーチャーにますます怒りを覚えていく。
翌日、凛と共に学校に張られた結界の起点を一つずつ潰していく士郎だったが、彼が一人になったのを見計らったように慎二が近づいてきて、自身が結界を張ったマスターであることを明かしてくる。余裕綽々の態度で士郎に仲間になるよう持ち掛ける士郎だったが、無関係な人間から魔力を奪う慎二のやり方に反発する士郎はそれを跳ね除ける。
夜、いつものように土蔵での鍛錬を終えて眠りについた士郎は、何者かの魔術によって誘われ、目が覚めた時には龍洞寺に居た。体の自由を奪われた彼の前に現れたのはキャスターのサーヴァントで――。

感想

心理的なやり取りが続くエピソードでしたが、最後の最後でセイバー対アサシン、アーチャー対キャスターの戦いの火ぶたが切って落とされて「もっと見せろよ!」と実に次回が気になる回でございました。
相も変わらず、士郎の天然ジゴロな言葉に全力で赤面する凛が可愛すぎてこちらは画面の前で悶え死にそうになった訳ですが、同じくらいに、アーチャーの悪すぎる笑みと満を持して登場のアサシンのあまりのイケメン振りに大興奮を隠せません。ワタクシもう前かがみです(アニメ違う)。

さて、今回は上記の通り心理的なやり取りがメインの回でしたが、中でも士郎とアーチャーのいがみ合いのシーンが実に暗示的でした。英霊とはまさしく士郎が目指す正義の味方の理想の一つであるはず。ですが、アーチャーの語るその真実の姿は、ただ自らの感情もなく人類の守護者として力をふるい用が終われば追い払われる使い捨ての掃除屋でしかないという、士郎の理想とは程遠い存在でした。士郎にとって一番身近なセイバーは高潔な精神と聖杯に託すべき願いを持っていますが、アーチャーに言わせればセイバーこそが異質なのだと。
アーチャーは初めから士郎を敵視していますが、今回彼がわざわざ英霊について――そして自分について――その歪な真実を語ったのは、士郎の中にある甘っちょろい正義の味方と言う理想を冷笑するという目的が見え隠れします。そして士郎も、アーチャーのそんな真意を本能的に感じ取っているのか、それとも先日セイバーごとバーサーカーを攻撃した事が手伝っているのか、アーチャーに対しての敵意を隠そうとしません。
あの最悪最低の慎二にさえも最低限の一線を引いている士郎が、アーチャーにはその嫌悪感や怒りを隠そうとしない事実が、二人の間にある何か運命的なものを明示していますね。

話は変わって、今回初登場のキャスターさんですが……おお、今まで描かれたキャスターさんの中で一番妖艶ですね! いいぞもっとやれ! という感じ。スピンオフ作品では新妻キャラにされてしまっていますが、今回は団地妻という風情ですな(ゲス顔)。
彼女の魔術によって囚われてしまった士郎が、夢うつつの中で垣間見た不思議な光景――どこかの船に乗っているらしき視点とこちらに向かってくる鎧姿の男――がキャスターの正体を示唆するものだという事は明らかですが、果たしてその真実は? というか、なんで魔術に囚われただけの士郎がそんなイメージを観たのやら。解説求む。

さあ、次回はアクションバリバリの回になりそうですが、遂にBlu-rayのCMで決めに使われているあの名台詞を聞けるかもしれませんね。アーチャーファンは必見か。