たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

Fate/stay night Unlimited Blade Works #00「プロローグ」感想

原作プレイ済み。ディーン版及びFate/Zero視聴済み。
(以下ネタバレ)
原作のFate/stay nightをプレイした時、恐らく殆どの人が本編前に開始される凛視点でのプロローグの秀逸さに引き込まれて世界観にハマっていったと思うのですが、旧ディーン版では尺の都合もあってプロローグ部分は大幅にカットされた経緯がありました。
そこに来て今回の再アニメ化*1、初っ端から一時間かけてしっかりと原作のプロローグ部分を映像化してくれました!
このプロローグ部分はFateのもう一人の主役と言うべき遠坂凛のキャラクターを語る上で欠かせない要素が詰め込まれている重要な部分です。それをとても丁寧にアニメとして再現してくれて、「このスタッフ、分かっているな!」と感心せざるを得ません。しかも、凛は前日譚「Fate/Zero」でもフューチャーされていたという経緯があり、同作を視聴済みの人にとっては凛との再会と彼女の成長を感じる重要なエピソードにもなっている訳で。
また、物語の裏主人公とでも言うべきアーチャー、彼のプロローグでの言動が物語が進むにつれ色々な意味が付加されていく様を楽しむためには、このエピソードは必須だったわけで、そういった意味でも何ともグッジョブな構成と言わざるを得ません。

さて、美しい映像表現で定評のあるufotableが制作という事で、当然アニメーションのクオリティについても期待されていたわけですが、今回のプロローグでもその実力がいかんなく発揮されていました。
前半はひたすらおとなしい場面が続くこのプロローグと言うエピソードの中でも、キャラクターに動きを付けたり自然に場所を変えたりする事でアニメ作品によくある「立ちんぼ」や「紙芝居」状態を実に巧みに避けている点がまず見事。本作は、実に長台詞の多い作品ですから、キャラクターが喋っている最中にも映像的に飽きさせないこういった工夫が今後も活かされる事に期待します。特に、凛は物語の解説役の側面が強いので、彼女がフリフリとツインテールを揺らしながらアクティブに説明お姉さんを演じてくれる場面が今から想像され、実に楽しみです。
そして後半のアーチャーとランサーの戦闘シーン! Fate/Zeroが比較的真っ向勝負が多かったのに対し、本作の初戦はアーチャーとランサーの曲者対決という事で、早回しのアクションの中にもしっかりと戦術的な動きが組み込まれていて、先の展開を知っている身でも思わず手に汗握ってしまいました。特にアーチャーの動きが良かった。原作にあった「身体能力に恵まれていないアーチャーが、曲者極まりない戦術でランサーの必殺の槍をしのぎ続ける」感がよく表れていて、アーチャー好きとしてはまさしく垂涎の戦闘シーンでございました。

また、長い間Fateのキャラクターを演じてきた声優の皆さんの演技も素晴らしい! ZeroでもCDドラマという下地があったためにそれぞれの演技は実にこなれたものでしたが、本作の場合ゲーム移植時のフルボイス化や旧アニメ化、メディアミックス作品での新規収録、果てはTYPE-MOONファンイベントへの出演など、声優さん達のキャリアに寄り添う形で成長してきた作品なので、もう声優さん達とFateのキャラクターは切っても切れない縁を感じる域にまで達しているといっても過言ではない訳で。「演じる」というより役者さんの中に「息づいている」感まであります。

さてさて、プロローグはセイバー登場で終わり、次回からは士郎を主人公とした本編が始まるわけですが、旧ディーン版での士郎の特攻馬鹿振りを知っている方々は、ちょっと不安を持ってしまうかもしれませんね。ディーン版TVシリーズは原作ゲームで言うセイバールート「Fate」を基にしていて、確かにそのルートでの士郎は理解しがたい特攻馬鹿なのですが、本作は凛ルート「Unlimited Blade Works」を下敷きにしていて、士郎が何故あんな特攻馬鹿なのか、その理由が明かされるエピソードとなっているので、どうか辛抱強く見守ってあげてほしいと思います(笑)
次回も楽しみだー!!

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ED曲もどんな感じになるのか楽しみです。ちなみに、本作の音楽担当は「魔法使いの夜」のメインコンポーザーの方のようで。サントラにも期待。

*1:厳密には原作の別エピソードの映像化ですが。