たこわさ

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Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ! 第5話「それは、つまり」感想

前期視聴済み。原作は単行本で既読。アニメ版だけの感想とし原作のネタバレはしません。
(以下ネタバレ)
引き続きクロの行動に日常を荒らされ気味なイリヤ。そんなイリヤに凜はこれからどうしたいかを問いかける。イリヤは「元の生活に戻りたい」と答えるが、何故かその言葉がクロの怒りを買い――。

よく「言葉を尽くせば分かり合える」などと主張する人がいますが、どんなに言葉を尽くしても自分の真意を全て語りつくせるとは限らないし、語り尽くせたとしてもそれが相手に全て正しい意味で伝わるとは限りません。むしろ言葉というものは誤解のもとになる事さえ多い、便利なようでいてその実、非常に扱いにくい存在です。

今回、イリヤが何気なく口にしてしまった「元の生活に戻りたい」という言葉は、恐らくは美遊や凛達との別れを含んだ言葉ではなかったはずですが、存在自体が不安定なクロからしてみればそれは全てに対する否定の言葉にしか受け取れず、当のイリヤ本人でさえ自分の心の奥にクロが感じたような真意があったのではないか、と自問自答する結果になりました。

しかし、その一方で美遊が例え自分の存在が否定されようともイリヤの事を守ると強く想ったのは、イリヤの飾りのない言葉や行動の数々が寄る辺のない(であろう)彼女自身に存在意義を与えてくれたものであったからである訳で、それは言葉が言葉以上の意味を持つ事があるという、もう一つの側面を如実に表しています。

たった一つの言葉が決定的な隔絶を生む事がある一方で、沢山の言葉が誰かの支えになる事もある。クロと美遊の戦いは、だから信じない者と信じる者の戦いでもあり、だからこそ二人の間にもはや言葉は意味をなさず、ただ行動を持って相手を屈服させるしかないのでしょう。

そんな二人の戦いを、イリヤが一体どうやって止めるのか。言葉を尽くすのか行動で示すのか、それともその両方か。どちらにしろ、イリヤにとってこれが正念場となりそうです。


そして真剣な展開なのにエンドカードがアーッ!! で一気に脱力したのであります……。