たこわさ

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ピンポン THE ANIMATION 第10話「ヒーローなのだろうが!!」感想

原作未読。映画版視聴済み。
(以下ネタバ)
遂にドラゴンとの対決の時を向かえたペコ。奇手とも呼べる「反転式ペンホルダーのラケット」でもって挑むのだったが、ドラゴンの圧倒的実力の前になすすべもなくゲームを連取され、窮地に立たされる。だが、追い込まれたペコは不敵な笑みを浮かべ――。

誰よりもストイックに、自分の為ならず他人の為に卓球を続け「怪物」の如き強さを身につけたドラゴンでしたが、そもそもの彼の卓球人生の始まりは、父親による手ほどきを受ける「楽しくて大好きな」それでした。しかし、父の不遇の死と共にそんな気持ちが失われた結果、ドラゴンという悲しき怪物へと変貌してしまった。
ドラゴンがスマイルを求めてやまなかったのは、だから、スマイルがただ強い選手というだけではなく、ドラゴン自身と同じような強さを持った選手だったから、という事なのでしょう。スマイルもまたヒーロー=ペコという大きな存在を失った結果、卓球の楽しみ方を忘れてしまった「怪物」だった訳で。

そんな彼らにとって、まさしく救いの主となったヒーロー・ペコ。ただ勝敗を決するのではなく、お互いを高めあうような、心躍るような試合を展開する稀有の天才。敗れたドラゴンの表情には悔しさはなく、ただ「自分も本当は飛ぶ事が出来たのだ」という気付きへの歓喜が溢れているだけ。
そしていよいよ決勝戦。ペコはドラゴンを救ったように、スマイルの事も救う事が出来るのでしょうか?