【Amazon.co.jp限定】映画「たまこラブストーリー」 (Amazonギフト券付き) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2014/10/10
- メディア: Blu-ray
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(以下ネタバレ)
TVシリーズとは別物?
内容は確かに恋愛モノど真ん中、しかもとっても甘酸っぱい、幼いとも呼べる恋模様なものですから、観ている最中にはむず痒いような、それでいて心地よいような、観ている方が恥ずかしくなったりニヤニヤしたくなったり。「たまこまーけっと」のサザエさん的な部分だけとれば似ても似つかない作品です。しかしながら、「たまこまーけっと」のもう一つの特徴であった「変わらない日常の中にある非日常、そして変わらないようで変わっていく人々」を描いたという意味においては、やっぱり同じ作品なのだな、という事を強く感じました。
大きく異なる点、それは「たまこまーけっと」において「軸」として常に揺ぎ無いアイデンティティを発揮していたたまこが、初めて大きく揺らいだ、という一点に尽きるでしょう。*1
なので、たまこが大きく揺らぐ瞬間――もち蔵からの告白のその時までは、TVシリーズの続きをそのまま観ているかのような錯覚さえ覚えました*2。
みどりは相変わらずたまこへの感情に整理が付かないままだし、かんなは不思議ちゃんな立ち位置を崩さないし、詩織は新しい自分になろうと一生懸命だし――たまこを「揺らす」役目であるもち蔵も、東京の大学に行くという決心とは裏腹に、劇中前半まではTVシリーズ同様「ヘタレ」であり続け……本当にもう、「通常営業」だなー、と。
訪れた転機も「いつも通り」の延長線上
そんな「通常営業」の中で訪れた転機――もち蔵の告白――も、きっかけはTVシリーズから続く、もち蔵とみどりの「ずっと傍にいた、家族以外でたまこと一番親しい人」争いの中での事でした。
「出来はしない」とたかをくくってもち蔵を焚き付けるみどり。
売り言葉に買い言葉で「(たまこに好きと)言う」と答えるもち蔵。
TVシリーズの、いつものもち蔵ならば言おう言おうと行動を起こそうとするけれども何だかんだで実行できない――おそらくはみどりもそう思っていたのでしょうね。
でも、それが誤算だった。みどりは自分がそうであるように、もち蔵もまだ自分の気持ちに決着を付けられないでいる、と思っていた。けれども、もち蔵は父親と喧嘩してでも東京の大学に行く事を、たまこと離れ離れになる事を既に決意していた。
二人の意識の違いが顕著に出てしまったのが、この瞬間でした。みどりちゃん墓穴を掘ったでござるの巻です(?)。
告白にテンパる姿もたまこ流
そんな訳で、みどりに焚き付けられたもち蔵はたまこに一世一代の告白を実行。そしてそれに対するたまこのテンパり具合が……実にたまこらしいコミカルさ。いきなり川の中に落下したり、「もち」という言葉が全部「もち蔵」になってしまったり。恋愛展開になってもたまこは実にたまこらしいのだなぁ、と感心したりニヤニヤしたりしながら観てしまいました。
それでも、ずっと続けてきた家の手伝いにも支障が出るなど、笑い話では済まない変化も起きてしまい、それでますますテンパっていくたまこの姿が何とも甘酸っぱい。
でも、そんな中でも、みどりの自分に対する気持ちを何となく感じていたのか、真っ先に彼女に相談しないでまずは自分の中で溜め込んでしまう所はやっぱりたまこらしい奥ゆかしさというかなんというか。
そんなたまこを大事に思うからこそ、みどりは、今度は意識的にたまこの背中を押してあげたんでしょうね……。
各キャラクターに対してこまごま
- もち蔵男だぜ!
- 混乱するたまこが可愛らしい
- みどりちゃんが自分自身も深く葛藤しながらもそれでもたまこともち蔵の背中を押したその気持ちを思うととっても切ないお話になってしまうんですよね、これが。まあ、実は一番モラトリアムを享受していたのが、一番しっかりしてそうなみどりだった、という事なのである意味自業自得だったのですが。
- ちなみに、この映画で泣き所があるとすれば、たまこがもち蔵の事を想って「いつも一番近くにいて」と母親の葬儀を回想する時、みどりもその場にいたのにカウントしてもらえなかった(ようなシチュエーションになってしまった)所ですね。泣ける。
- かんなちゃんが何気に縁の下の力持ち。特に、自分の高所恐怖症を治すという名目でみどりを連れ出す所なんて……友情に厚い!
- 詩織はたまことの関係がTVシリーズとは逆になっていたように思える。
- ちゃんとデラ・チョイ・王子の南の島トリオも出てきて安心。
- いつも喧嘩してばかりの親父’sが裏では一緒に酒飲んでたりする事が明かされるシーンが好きだったり。