たこわさ

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「フルメタル・パニック!アナザー 7」読了

前作「フルメタル・パニック」が第三次スーパーロボット大戦Zに登場、更には原作者の賀東氏の新シリーズ「甘城ブリリアントパーク」が京都アニメーションによってアニメ化されるという事で、本作もどんどん盛り上がってほしいところですが、さて。
(以下ネタバレ感想)

前巻の終盤で、遂に兵士としての「一線」を越えてしまった達哉。弟を自らの手で「介錯」した事実と向き合い、またミハイロフに切り捨てられた可能性を前に思い悩む菊乃。二人の苦悩をよそに、ジオ社の無人AS<ケントゥリア>により世界に戦火が広がろうとして――。
うじうじ悩まない系主人公である達哉ですが、それでもやはり一線を越えてしまった事に対して気持ちの整理がつかないのは、事実の重さを考えれば仕方のない事と言えるでしょう。ですが、そんな心境でもよくあるロボットものの主人公のようにうじうじ悩んでいる内に取り返しのつかない損害を味方に招いてしまうような事がないのは流石。生まれ変わったレイヴン1号機で宿敵ミハイロフを下した兵士としての成長振りもめざましく、彼ならば道を誤らないと感じさせてくれます。
また、今回光ったのが「お飾り社長」の枠に収まらないクララの活躍。特に菊乃を篭絡したその手並みはお見事の一言。流石、クルツとマオの娘だけの事はあります。将来はきっといい意味での悪女に育ってくれる事でしょうw

ただ、達哉の成長力が常識外れという事実が、そのままケントゥリアのAIの成長に繋がる可能性があることが示唆されている事から、新たな戦力を得たとはいえ達哉達の行く手にはまだまだ困難が待ち受けていそうで……。

成長したロニー*1が所属するSEALsも動いているようですが、彼らが達哉たちの味方になるとは限らないわけで。

ロニーやクララが頼りにしている「TT」が今後搭乗するのかどうかも気になりますね。彼女が一体どんな大人の女性になっているのか……。ついでに彼女と共にあるはずの「彼」も物語に絡んでくる展開もあるのかな、などと邪推すると中々に胸熱。

達哉とアデリーナ、菊乃の関係がどうなるかどうかも次巻以降の楽しみですね。

それにしても警備員のオークロ……もとい著者の大黒氏は巻を追う毎に筆力が上がっていますね。主人公と一緒に作者も成長する作品は名作――とは限らないですが、今後も期待しています。

*1:前作「フルメタル・パニック!」の後日談でテッサの新たな「家族」となった天才少年。