たこわさ

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マギ The kingdom of magic 第12話「新たなる皇帝」感想

原作既読。
(以下ネタバレ)
現皇帝の急逝により、煌帝国の皇子・皇女が一堂に会する事に。衆人環視の中、皇帝の遺骸を前にその遺言が読み上げられるが、そこに記されていた新たなる皇帝の名は意外なもので――。
満を持して登場した煌帝国第一皇子・紅炎。白瑛と白龍(とついでに紅玉)に対し、世界にまつわる謎――何故民族の枠を超えて一つの言語を共有しているのか。トラン文字によって記された「かつて滅びた世界」とは何をさすのか――を語り自らそれに一つの仮説を示すなど、力押しの軍人ではなく中々のインテリであり、煌帝国の事だけでなく既に世界そのものについて考えをめぐらしている事が伺えます。
そもそも、あの白瑛が信頼を寄せている人物ですから、ただ武力や政治力に優れている人物という訳ではなく、シンドバッドに伍する「王の器」を備えているのでしょうね。しかも、白瑛達姉弟にそういった理想を語る一方で、実の弟である紅覇達には「組織」についての情報を共有し共にその動きを探っているなど、抜け目無さも兼ね備えているようで。
まあ、抜け目なさではシンドバッドも負けていない事は、紅玉に何らかの暗示がかけられている事からも明らかですが。
さて、そんな大きな器を見せ付けた紅炎にたいして、どうしようもない器の小ささを露呈してしまったのが白龍です。
「時が満ちた」と判断し姉に実父達の死の真相を明かすも、恐らくは狂気染みた復讐鬼になりかけている弟を諭す意味もあったのでしょう、国を二分してまで自分達の復讐を成し遂げるのは間違っていると主張され距離を取られてしまいました。
おまけに憎き敵である母親の挑発にたやすく乗ってしまい、結果完膚なきまでに叩き伏せられるという結果。終いにはジュダルによる暗黒面への誘いに心が揺らいでしまい……。ブラックアウトしたままEDに入るその演出は、白龍の心も完璧に闇に落ちた事を暗示しているようで秀逸――いつも通りのへたくそなボーカルさえなければw