たこわさ

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蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- 第10話「その身を捧ぐ」感想

(以下ネタバレ)
コンゴウ・マヤの包囲網から無事抜け出した思ったのも束の間、待ち構えていたイ400とイ402に撃沈されてしまったイ401。海溝奥深く沈んでしまったイ401はその機能の大半を失い身動きがとれず、生命維持機能を極限まで削りその分のリソースを水圧対策に回すが、その為に群像の命の灯火は段々と小さくなっていき――。
目の前で群像を失おうとしている事態に、ようやくイオナが自分の中に芽生えた新たな機能――感情を自覚し、群像に対して自分が抱いている気持ちを認め彼の生存の為に全ての大儀を捨ててわが身を犠牲にする一連の流れが実にカタルシス。原作では元々感情豊かな少女であるイオナが、アニメでは無表情・無感情に描かれてきた全ての意味がここで明かされて、おまけに涙まで流されちゃったらもう「まいったお前がヒロインだ」と白旗をあげたくもなりますよね。
一方で早くから群像への想いを自覚し、彼への献身が最早自己の実在証明である言わんばかりに依存していたタカオが、カプセルの中の群像とイオナのコアを発見して全てを悟り、迷わずに自分自身を犠牲にしてイオナを救う、その迷い無き行動に涙が……。タカオはただ盲目的に群像に心酔していた訳じゃなくて、彼の存在とその周囲の世界を守りたかったのですね。これを愛と言わずして何を愛と言おうか!
そして、コンゴウ。アドミラリティコードに従う事に執着してきた彼女が、その指令を頑なに守ろうと奮闘してきた結果、アドミラリティコードの敵である群像達に必要以上の拘りを感じるようになってしまい、それがアドミラリティコードからの逸脱に繋がってしまうとは何たる皮肉か。しかも、彼女に付き従い近しい存在であったマヤが擬似人格さえ持たないただのプログラムだったという残酷な現実を突きつけられるなんて……。
前回までのどこか牧歌的な雰囲気さえ漂うノリが嘘のような展開の連続でした。