たこわさ

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凪のあすから 第10話「ぬくみ雪ふるふる」感想

(以下ネタバレ)
うろこ様の口から語られる来るべき災いの正体。それは海神さまの力が弱まった事により、世界が「冷えて」しまい、人間が生きていけなくなってしまうという物だった。エナをもつ海村の人々は断食する事で冬眠のごとく眠りにつき、その災害を乗り越える事が出来るというが地上の人間には難を逃れる術はないという。地上の人間は放っておけといううろこ様や父親に反発し、光はなんとか「おふねひき」を実行し海神さまの力を取り戻そうと奮闘する。一方、自分を抱きしめた光を拒絶したことで思い悩み、光を避けるようになってしまったまなかは――。
災いの正体は奇をてらったものではなく、うろこ様の言葉通りのものでむしろ安心したような。あくまでも童話・民話的な世界観を貫いてくれる所は本作の美点だよな、と。
光を拒絶してしまったまなかの本心は、ウミウシのみぞ知る、という感じに今回は明らかにされませんでしたが、まなかの回想から察するに「やっぱり光の事が好き」か「いつも自分を守ってくれる光の事は大切だけど恋愛的な意味で好きなのは……」の二択でしょうね。ここで「やっぱりよく分からない」とかいう答えが来たらガックリしてしまいますがw
協力を求めるために地上の人間に災いの事を触れ回る光ですが、美海達子供は敏感に反応し見えない恐怖に混乱してしまったものの、他の人々は「今日明日の話ではない」という事でいまいち実感がない様子。紡の祖父の「環境ってやつは一人の人間が生きている間にどうこうなるものじゃない」という言葉には、今から頑張っても状況は変わらないという意味と、じわじわと進んでいく災いに対しては「自分達の世代で頑張らないと」という意識が人々の間に生まれにくい、という意味の二つが込められているようにも思えますね。さて、そんな地上の人々とは対照的に、海村の人々には「眠り」の時が迫っているという実感が。他の村人は楽観的ですが、まなかは「眠りから覚めた時に本当に皆に会えるのか」という不安に襲われ……。最初は「眠ってしまったら地上の人々とはそこでお別れ」という事実を恐れていたのかと思いましたが、そういう意味は込められていないようなのでちょっと意外。それとも、そんな想いは次回以降に芽生えるのかも。
まなかの不安に触発されるように、要もようやく傍観者から当事者に――ちさきへの想いを明らかに――した事で、恋愛模様も大きく動きそうな。さゆの要への純粋な想いもどう消化されるのか、そして光×美海エンドはあるのか(ぉ