たこわさ

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神のみぞ知るセカイ 女神編 FLAG 12.0「初めて恋をした記憶」感想

原作既読。アニメ第一期・第二期・OVA視聴済み。
(以下ネタバレ)
ちひろの涙につられて泣きそうに――それくらいのめり込んで観られる、実に良い最終回でした。
桂馬が歩美に対して全てを打ち明けずあくまでも「攻略」に拘ったのは、もちろん「落とし神」としての矜持もあるんでしょうがもっと言うと最終的に女神の宿主+ちひろを同時攻略していた自分との距離を一歩引いて欲しかったからなんじゃないかな、と。「愛してる」とは言えても「好き」とは言えないという桂馬の心情が実に絶妙ですね。
歩美も何だかんだでそんな桂馬の心中を本能的に察しているようにも見えましたね。だから、二人にとって本当に自然などつき・どつかれるいつの日かの光景を再現して見せた。でも、その上で桂馬の事を選んだのだから歩美も相当にタフというか純粋というか。
そしてちひろ――思えば第二期で「ちひろを可愛くしすぎなんじゃ?」という印象を持ったものですが、それがここに来てボディブローのように地味に効いてきました。女神の宿主達は立ち代り入れ替わりメインヒロインを演じましたが、その裏でちひろは文字通りの「裏ヒロイン」を演じ続けて、そして結局表のヒロインにはなれませんでした。
もし桂馬がちひろも攻略対象だったことを明かしていても、結局彼女は巻き込まれた部外者のまま。ステージ上で垣間見た他の女神たちの姿は、ちひろがどうやっても「普通の女の子」以外の何者にもなれないという残酷な事実を表していて……。
ちひろとリンクするように桂馬が流した恐らくは「初めての」涙。その意味を語るのは最早無粋というものでしょう。
さて、原作から大胆にエピソードをカットして始まったこの「女神編」、本編も要所要所で話が端折られているので当初はその出来を心配していましたが、終わってみれば今までで一番良い出来のシーズンだったと言えるほどのクオリティでした。原作ではまだ女神編の次のエピソードが完結していないので四期があるかどうか微妙ですが、どうせならカットされたヒロイン勢で更に1クールやってほしいなぁ、と切に願ったり。