たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

怒涛の最終巻「貧乏神が!」(16)感想

貧乏神が! 16 (ジャンプコミックス)

貧乏神が! 16 (ジャンプコミックス)

アニメから入ったクチなので長年のファンという訳ではないのですが、それでも一抹の寂しさを感じるわけで……。
(以下ネタバレ)

最終巻らしく、(ほぼ)オールスターキャストによる怒涛のバトルが続き大団円へと、非常に綺麗な流れで終わってくれたな、という印象。市子と石蕗がバトルの流れでバカップ爆誕状態になっていたり、それでもやっぱり最後は市子と紅葉が締めていたり。テンプレ通りといえばそうなんですが、むしろ作品としての軸がぶれなかった結果なんじゃないかな、と。

それは市子と紅葉の別れのシーンにも表れていて、おそらく近年の作家の多くがあそこは「何だかんだあって結局市子の所に紅葉が残る事になる」というお茶の濁し方をするところだと思うんですが、本作ではそういった「逃げ」には走らずに、きちんと市子の成長の結果として二人の別れを描いてくれた。そこのところが実にいい余韻をもたらしてくれて、「ああいい作品に出会えたな」という喜びを感じさせてくれたわけで。

「自分の幸せを望まぬものに、他人を幸せにする事は出来ない」「人は、誰かを幸せにするために生まれてくる」。紅葉と市子の口から語られた、青臭いながらも優しい幸福論が、多くの人の心に届く事を祈念しつつ、まずは作者氏にお疲れ様、の一言を。

貧乏神が!  1 (初回限定版) [Blu-ray]

貧乏神が! 1 (初回限定版) [Blu-ray]