たこわさ

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「僕は友達が少ない9」感想

僕は友達が少ない 9 (MF文庫J)

僕は友達が少ない 9 (MF文庫J)

運よくフラゲ出来たのでいち早く感想をば。
(以下ネタバレ)

小鷹を巡る恋愛模様の行方は……?

さて、何やら発売直前にレーベル公式のお試し読みに、すわヒロイン論争終了か!? と思わせるような重度ネタバレ部分が含まれていて、一定時間後に(件の部分が)お試し読みから削除されるという事態があったようで。私はそのネタバレについては直接目にしなかったものの「かなり序盤の小鷹の台詞でヒロインが決定してしまう」という話だけは伝わってしまい、もやもやした気持ちでページをめくったのですが――

「――小鷹先輩は、星奈先輩のことどうおもってるんですか?」
(中略)
俺は星奈が好きだ

夜空派の私憤死キタ━━━━━y=-(゚∀゚)・∵.━━━━━ン!!
……と思わせておいて星奈の告白への答えは、

「でも、俺はお前とは付き合わない」

アーンド、

俺、幸村のことが……好き……かもしれない……

で、あれ肉大勝利って訳じゃなくて小鷹さん隣人部の面々それぞれに同じ位惚れてしまってるん? じゃあ夜空さんの事も……? と更に読み進めると、

「俺が夜空のことをどう思っているかって言うとだな……」
「端的に言うと」
重い

やっぱり夜空さん大爆死でしたぁぁぁ!!(笑)
――という訳ではなく、「自分でも夜空のことをどう思っているのかよく分からない」というのが小鷹の正直な気持ちなようですが……。星奈への返事以外は理科の質問に対して小鷹が答える、という形での発言なんですが、「友達」である理科に対しても夜空に対しての自分の気持ち――実はよく分からない――は語っていないんですよね。小鷹本人は「陰口みたいだから」と言い訳していますが、実は別の理由なんじゃないか、と勘繰ってしまう所……。
というか、小鷹は肉と幸村への好意を理科に明かしていますし、肉に関しては本人にもその気持ちを伝えていますが……あの一連の告白って、肉に対しても幸村に対しても、自分に好意を向けてくれる特級の美少女に対する健全な青年のリアクション以上のものじゃないような気がするんですよね……。二人への好意がただの下半身による欲求、という訳じゃなくて、恋愛感情は恋愛感情でもドロドロのマグマではなく沸騰したお湯というか……。
その証拠、という程の事じゃありませんが、8巻ラストでめでたく「友達」となった理科に対する小鷹の振る舞いも、友達というよりは「付き合い始めの恋人」みたいなドキドキする距離感であり、でも理科の事は「誰よりも一番可愛い」と全力で評価しながらも彼女の事が「好き」だという言葉は一回も言っていないんですよね。明らかに「好き」なはずなのに。
結局のところ、小鷹が自覚――というか自白したのは健全なイチ青年としてのムラムラする欲求だけであって、プラトニックな部分での恋愛感情についてはまだまだ自覚が足りない、人間的に成長する必要があるのでしょう。
おまけに生徒会の面々との縁も切れるどころかむしろ向こうが放っておかない位のレベルになりつつあるようだし、小鷹を巡る恋愛模様はまだまだ着地点を見出せていない、というのがこの9巻での状況なんでしょうね。

キャラクターの掘り下げについて

さて、本編が上記のようにハーレム展開スレスレの所を行きつつも、しっかりとキャラクターの掘り下げを忘れていないのは実に見事。どこぞの作品*1のように正ヒロインを決定した途端に他のヒロインを主人公が機械的に振っていくような話にならなくて心底ほっとしました
恋愛関係を含む人間関係って、割り切れるものでもなければ1か0かという単純なものでもない。矛盾する感情が自分の中で両立してしまう事さえあるから、人間らしいわけで。
特に、作者があとがきにも書いているように、各キャラクターの関係性を掘り下げたところが実に面白い。まさか幸村と遊佐があんな事になるなんて誰が思ったことでしょうかw 夜空と小鳩についてはちゃんと前振りがあったので思わず「ここで伏線を回収したか」とニヤリとさせられました。そして不憫な理科は小鷹という「友達」を得たというのに他の隣人部の面々が思ったより自分のことを「友達」だと思っていなくてとんだピエロを演じるという……。夜空にはかなわないけど理科も中々どうして不幸キャラですよね(笑)。
ただ、理科も実は夜空と同じように「自業自得」な部分があるんですよね。まるで天使のような健気さで小鷹を救い「友達」として寄り添ってくれている理科ですが、同時に虎視眈々と肉への下克上を狙っている事が伺える描写が多々あり、悪魔のような計算高さも持ち合わせているんですよね。ま、それでも今のところは健気さの方がまさっている気がしますが。

三日月夜空、復活ならず?

前回のあとがきで「次回は夜空復活です」みたいな前振りがあったものの、今回は「落ちるところまで落ちた」結果になった夜空さん。汚れ役は肉担当だったはずなのに、まさか小鷹に自●行為を目撃されてしまうとは……。つーかアニメ三期ありえるのにまさか井上さんに●慰行為とか読ませるのか? 変態作者め! 円盤買ってやるぞ!(ぉ
――それはともかくとして。
隣人部の中でも異彩を放つ「ぼっち」である夜空でしたが、どうやらようやく彼女の内面が明かされ始めたようですね。まさか日向と姉妹だったとは意外でしたが*2、更には予想外にヘビーな家庭の事情も明かされて……。
いままで正体不明だった夜空の内面が明かされる段になって、ようやく小鷹も彼女に対する自らのスタンスを定めつつあるようで、これはもしかすると逆転ホームランもありえるでー(?)。既に将たる小鷹の前に馬たる小鳩ちゃんを篭絡しているという実績もあるし(笑)。
ああでも、小鷹が助ける前に火輪さんの餌食になってしまうという可能性も(謎)。

*1:あれだよあれ、全然可愛くない妹を何でか真剣に愛しちゃった変態兄貴に周囲が迷惑をかけられまくる駄作。

*2:確かに伏線らしきものはある。