翠星のガルガンティア 第11話「恐怖の覇王」感想

翠星のガルガンティア (Gargantia on the Verdurous Planet) Blu-ray BOX 2

（以下ネタバレ）
クーゲル中佐と再会したレド。ガルガンティアで現地の人々との交流を深めたレドとは反対に、クーゲルは地球人類を管理し対ヒディアーズの戦力として組み込もうと考えていた。クーゲルの命令に従いつつも葛藤を隠せないレドだったが――。
地球の反対側に流れ着いていたという中佐ですが、現地人と交流するようなことはせずにカルト教団めいた手法で支配する事を選択していたようで。ヒディアーズの正体も知っていたようですし、沢山の部下達を従えていた身ですから、人心掌握術というかプロパガンダはお手の物、か。
風土病に侵されているというのは、ストライカーがチェインバーにデータを送信したことからも嘘ではないようですが、コックピットから出ない理由はどちらかというとチェインバーが分析した通りの意味と、現地人を人間として見てしまう事を潜在的に恐れたからではないかと邪推。中佐はレドみたいな純粋培養じゃなくて「個」の部分もしっかり持っているようにも見えるんですよね……。
それと気になったのが中佐の口から「通信管制」という単語が飛び出していた事。何かレドに隠している事実があるんじゃないかと……。もしかするとコックピットから出ない理由もそこにあったり。
一方、ピニオンとフランジも無茶をする事無く「とりあえずは」恭順の意志を示しましたが、相手の方が上手だったようで船団の面々はバラバラに収容されてしまいました。とはいえ、ピニオンも夢から覚めたかの如く冷静な自分を取り戻したようで、きちんと大局を見て動いている様子が見受けられましたね。ラケージの送った「今はね」というメッセージにもしっかり気付いていたようですし。前回やっちまった分、終盤で汚名返上なるか？
さて、クーゲルがレドに提示した次なる作戦は「大規模な啓蒙作戦」という事ですが、ぶっちゃけ示威的行為でもって大船団を手早く降伏させようって事なんでしょうね。そしてその対象に選ばれたのがガルガンティアという事で、レドの「人としての判断」が試されることに。
生存の為に個の尊厳と感情を捨てた銀河同盟、理性と知性を捨てたヒディアーズ、そして文明こそ失ったけれども不自由の中の自由を満喫する地球人類。レドは、どれが本当の「人類」であると判断するのでしょうか？