たこわさ

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翠星のガルガンティア 第10話「野望の島」感想

(以下ネタバレ)
ディアーズが人間から分かれた種である事を知ったレドは激しい違和感と罪悪感に襲われる。一方、旧世紀の遺産を前にしたピニオン達は当初の志を忘れ次第に増長し……。
かつてのレドは「敵は殲滅するもの」としか思っていませんでした。だから、ガルガンティアを襲ってきた海賊達を眉一つ動かさずに殺す事ができた。
しかし、ガルガンティアで「個」という概念を学んだ彼は、人間の尊厳を知り考えを改めるに至った。しかし、ヒディアーズは人類全体の脅威でありまた「下等生物」であるが故に殲滅するべき対象との認識は揺るがなかった。
――その前提が、脆くも崩れ去った。
まさしく、彼が今まで生きてきた証――根底にある価値観が打ち砕かれてしまった。彼が下等生物とみなし殺戮してきたモンスターは、根源的にはレドやエイミーと変わらない存在だった。ガルガンティアで違う価値観を受け入れる事を覚えてしまったレドだからこそ、その事実は耐えられぬ程の重みをもっていたのでしょう。
ですが、そんなレドにチェインバーが提示した答えは全く違うものでした。
あくまで「ヒディアーズを殲滅するべき」と主張するチェインバー。はじめは、機械特有の融通の利かなさだとレドも思っていたようですが、チェインバーは既に銀河同盟の意思に基づいて行動してはおらず、彼単体で辿り着いた結論がそれなのだと。
前回のラストでは機械的な冷酷さを見せ付けたチェインバーですが、今度は一転、レドとそれをとりまく世界を守るための最良の道を導き出してくれました。たとえ、それが残酷な答えだとしても。
前回までで、現存のヒディアーズに知性らしきものが見受けられなかった理由もチェインバーが解析した通りなのでしょうね。ただ、もちろんそれらの推論がチェインバーにあらかじめインプットされた銀河同盟のプロパガンダに由来するものではない、という確証はないのですが。
あからさまにヒディアーズ関係者っぽいフードの集団といい、突如現れたクーゲル中佐の機体といい、いよいよ盛り上がってきました。