進撃の巨人　第8話「心臓の鼓動が聞こえる」感想

原作は連載を読んだり読まなかったり。原作の内容には触れないor触れる時は前もって明記するスタンス。
（以下ネタバレ）
仲間達が巨人に食われていく様を前にして、何も出来ない自分の無力さを嘆くジャンだったが、本来彼が持つ「今何をするべきか」を判断する冷静さを取り戻し、残った仲間達に補給基地への突撃を指示する。一方、ミカサ達はアルミンの提案で「巨人を殺す巨人」を利用した起死回生の一手を打とうとしていた。
前回から引き続いてミカサとジャンが主役だな、という雰囲気に。特にジャンについては、エレンのように凄まじい激情をその身に宿しているでもなく、ミカサのように常人離れした身体能力を持つでもなく、アルミンのようにずば抜けて知略に優れているでもない、ある意味「普通の人間」の感性を持っているだけに、等身大の存在として奮戦する様が視聴者の心をがっちりキャッチしたのではないかな、と。
マルコ（で合っていたか？）曰く、「決して強くない人間だから弱い人の心がよく分かる」というジャンは、確かに指揮官向きかもしれませんね。仲間を犠牲にする痛みを抱えながらも、行動を起こすべきタイミングは逃さない強かさが、結果的に多くの仲間の命を救った今回の例を挙げるまでもなく。
さて、ミカサ達の奇策も成功し、補給基地で合流した面々は「巨人を殺す巨人」が表で暴れている間に補給施設の奪還を目指しますが、ここでも軍師アルミン先生の大胆な作戦が実行されます。本人は「僕なんかの考えた作戦」などと自信なさげでしたが、他の面々が黙々と準備に取り掛かっているところを見ると、アルミンは仲間内でも一定以上の信頼を得ている事が伺えますね。ミカサとエレンも過去に命を救われた、と言っているところから、自信がないのは本人だけで周囲からの信頼は厚い、という事でしょうか。
途中トラブルがあったもののアルミンの作戦は功を奏し、補給施設を奪回、ガスを補給し終えた面々は全力で本隊へと合流することが可能になりました。しかし、巨人にやられそうになった時のサシャが殺伐とした場面のはずなのになんだか可愛らしくてほっこりしてしまいますな。
仲間達が次々と離脱していく中、ミカサ達は「巨人を殺す巨人」が遂に他の巨人達に圧倒されつつある光景を目撃。ライナー達はこの巨人を利用すべきだと主張し、巨人を助ける事を提案しますが、何だかんだと揉めているうちに、当の巨人が自力で窮地を脱してしまいました――が、流石の巨人も限界が来たのか、どうっと倒れ付してしまいます。しかしその時、ミカサ達の目に飛び込んできた光景は――。
巨人から生まれたエレン太郎だﾜｯｼｮｲヽ(ﾟ∀ﾟ)メ(ﾟ∀ﾟ)メ(ﾟ∀ﾟ)ノﾜｯｼｮｲ
……いやあ、原作でもこの展開はちょっと度肝を抜かれましたけれども、それ以上にエレンの無事を確認してわっと泣き崩れるミカサが可愛くて可愛くて。この一連のシークエンスのミカサの顔について、作画を手抜かなかった制作スタッフには最敬礼をもって応えねばなるまい！