たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 第3話「俺の友達が眼鏡を外すわけがない」感想

原作既読。アニメ前期視聴済み。
(以下ネタバレ)
沙織の誕生日をサプライズで祝おうと内緒で沙織のマンションを訪れた京介達。部屋番号が分からずに入り口前でいつものケンカ状態に。そこの自分達の名を呼ぶ見知らぬ美少女が――。
という事で、他メディアで散々披露されていましたが、アニメでは初の沙織の素顔がお披露目。多分、設定では一番美少女とかそんな所なんでしょうが、バジーナの時のはっちゃけ振りと素の恥ずかしがり屋なお嬢様とのギャップが凶器以外の何物でもなく、ハートを撃ち抜かれた視聴者は多いのではないかと。
Aパートはそのまま沙織の過去のお話へ。原作ではもう少し後に語られる話なだけに、少々虚を衝かれた感じ。しかも、原作のエピソードからかなりカットされているし……。「その綺麗な丸顔を吹っ飛ばしてやる!」とか聴きたかったなぁw
もっとも、原作だと作中で大きな地震が発生する話になっているので、震災の記憶がいまだ生々しい昨今の状況を考えてその辺りの要素をカットせざるを得なかったのかも、という見方もあるかもなんですが。
さて、非常にアクティブな姉・香織に連れられて彼女のサークルへ連れてこられた幼き日の沙織。内気な美少女がオタク趣味に染まっていく光景を見るのは何だか心が痛むような気がしないでもないですが、とにもかくにも、引っ込み思案だった沙織はサークルメンバー、とりわけ漫画家のたまご・彼方さんのお陰で今までに無い楽しい時間を過ごせるようになったわけで。
しかし、そんな楽しい時間も姉が突然結婚して海外へ行く、という思いも寄らぬ展開により終止符が打たれることに。一人また一人と去っていくサークルメンバーを引きとめる力も無く部屋でうなだれる沙織の姿が実に物悲しく……。ですが同時に、香織の手痛い言葉通り「沙織自身がサークルメンバーに対して積極的に何かした事は無かった」のだから、独りぼっちになってしまうのは自明の理だった訳で。
無力感を募らせながらも「いつか見返してやる!」と奮起する沙織に彼方が渡した餞別、それはバジーナがいつも身に付けていたグルグル眼鏡でした。多分、彼方としては「まずはキャラ作りから始めてみなさい」位のつもりで渡したんでしょうが、まさかあそこまで徹底してキャラを作ってくるとは思わなかったでしょうねぇ――ああ、いや師匠があそこまで徹底していたのだから弟子もそうなるのは当たり前か。じゃあ、彼方さん確信犯だわw
アニメでは詳細には語られませんでしたが、本当の沙織は今も内気で人に顔を見られるのさえ恥ずかしい位のお嬢様です。それを、グルグル眼鏡で素顔を隠し、「沙織・バジーナ」を演じることで皆に頼られるコミュニティ主催者としてなんとか頑張ってきた。彼女は、今でも姉に追いつこうと必死なんですよね。沙織が最後、グルグル眼鏡を掛けて気炎を吐いたのは、自力で手に入れた仲間を誇る一方で、まだまだ本当の自分は力不足だからグルグル眼鏡の力を借りているんだ、という気持ちの表れなんでしょう。
ちなみに、本当の帰国の目的――沙織の誕生日祝い――を告げずにそそくさと去ってしまった香織姉さんですが、あのシーンに象徴されるように本質的には超シスコンです。ツンケンしてますが、本当は妹が可愛くて仕方がないのです。そんな彼女が何故、妹をほっぽらかして趣味に邁進し、果ては若年結婚して海外に行ってしまったのかについては、PSP版ゲーム「俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない (通常版)」で語られております。多分、原作やアニメでは今後語られる事はないでしょうから、そこの所を知りたい方にはプレイをお勧めいたします。
いやいや、今回はゲストキャラも多くて非常に面白かった。でも、コスプレ記念撮影のシーンをカットした件については黒猫派としては不満が。やはり動きと声が付いた「自分のコスプレの露出度の高さに恥らいつつ、京介のコスプレ姿がハートを直撃して挙動不審になってしまう黒猫」を観たかったー!(笑)*1

ちなみに、彼方さんはもちろん某・かなかなちゃんのお姉さんであり、スケッチブックの絵柄からも明らかな通り「マスケラ」の原作者でもあり、桐乃が大好きな同人作家さんでもある、という俺妹作品世界の裏側で大活躍する存在だったりー。黒髪の人は声優さんの方じゃなくてメイドカフェのお姉さんだったりー(声優の人と姉妹という設定)。

*1:ちなみに、第一期でもそうでしたが、黒猫の京介に対するデレシーンはアニメでは何故か大量にカットされているのであった。南無ー。