たこわさ

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僕は友達が少ないNEXT 第12話「僕は友達が……」感想

原作既読、前期アニメは視聴済み。
(以下ネタバレ)
予想外のタイミングで肉から告白され、どうやって切り抜けていいか分からず逃げ出してしまった小鷹は、遊佐の仕事を手伝った事をきっかけに、まるで逃げ場を求めるかのように、生徒会の仕事を手伝うことになったが――。
しり切れトンボ感が否めませんが、原作がここ(実際には理科と友達になったところ)までしか発表されていないのだから仕方がないかな、と。むしろ原作より少しだけ話が進んだくらいだし*1
さて、逃げ出した先の生徒会でも順調にフラグを立てる小鷹がマジパネーなのですが、そこに立ちはだかるのは悪の天才科学者然とした志熊理科! 一部視聴者からは「理科さん、やっちゃってください!」と声援を受けていそうなノリでヘタレ小鷹にお仕置きが開始されます。
でもそこは本質的にやさしい理科のこと、その本心は小鷹に現実と向き合ってもらって隣人部に戻ってきて欲しい、というものでした。そしそのやさしさはきちんと小鷹にも伝わっていて……。

僕は友達が欲しいんだよ!

小鷹の「お前は何がしたいんだ?」という問いに思わず発せられた理科の答え。理科が実は僕っ娘だという事が判明した衝撃のシーンでもあります(え?
正直、作者さんがはじめからタイトルの「僕」を理科として考えていたかどうかは不明ですが、それでもこの作品の中で誰よりも友達作りにまじめに取り組んでいたのは他ならぬ理科であることは、今までの描写からも明白なので矛盾するところもなく。
小鷹は小鷹で、自分にはハーレム系ラノベの主人公みたいに鈍さと優しさだけでその場を誤魔化しきる事は出来ないと自覚した上で、それでもどうにか隣人部という場所を守りたいと思うけれどもその方法が分からないと思い悩んできましたが、ようやく「誰かに頼る」という選択肢に辿り着けたわけで。変化を恐れるあまりに、他人と一定以上の関係になることを拒んできた彼がようやく自分から口にした「俺と、友達になってくれ」という言葉。10年前のソラとの思い出と重なるようでいてまるで違う、おそらくは彼の成長の証。原作の言葉を借りれば、ここでようやく「羽瀬川小鷹は主人公になった」という事になりましょうか。
一方で、小鷹と理科が「友達」として認め合った瞬間を目撃した人物が一人――原作「僕は友達が少ないCONNECT」や、アニメ中の描写から見るにそれはどうやら夜空だったようで、彼女は「旅に出ます。探さないでください」というメールと共にその場を去ってしまいます……。一見すると構ってチャンに見えてしまいますが、たぶん夜空はそこまで計算してメールを出したのではないのでしょうね。じゃなきゃ、弱っているとはいえ肉も含めた一斉送信であんなメールを送ったりしないでしょうから。
大切にしていた10年前の思い出が小鷹の中で上書きされてしまった事を感じ取り、また恐らくは肉の小鷹への告白からも影響し、もはや小鷹の隣に自分の居場所はいないのだ、と鬱々と落ち込んでしまった夜空。しかし、一人どこへともなく去って行く彼女が寂しそうに眺めるのは隣人部一同で撮ったいつの日かの写真。彼女が己の中に抱えるその矛盾した感情に気づいたとき、夜空もまた一人の主人公として歩き出せるのではないかと。
――まあ、肝心の原作の続きがまだ出ていないのでもやもやした気持ちをしばらく抱えることになりそうなんですが! 特に、私を含む夜空派の諸兄は原作の続きとアニメ第三期が無事世に出ないと全く救われないのであった……。

しかし、小鷹は肉への告白の返事をどうするつもりだったんですかね? 万が一彼がOKなんかした日には小鳩がストレスで家出してしまいそうな予感しかしないんですがw

*1:原作だと、小鷹はまだ肉を訪ねに行ってない。ただし夜空からのメールは外伝でその描写がある。