マギ 第23夜「鬨の声」感想

原作既読。
（以下ネタバレ）
ザガン迷宮とシンドリアに同時に魔の手を伸ばしてきたアル・サーメン。アラジン達は思わぬ強敵の出現に苦戦するが……。
えー、私つい最近原作をちゃんと読み直したんですが、原作のアリババ君は豆腐メンタルどころかただ情け深いだけで意志そのものが揺らいでしまうシーンってのはむしろ少なかったんですよね。それでいてちゃんと「苦悩して成長していく主人公」としても描かれているという絶妙の匙加減で。
そこのところを考慮すると、アニメのアリババ君はヘタレ過ぎて見ていてイライラするんですよね。「半人前の英雄」と「ただの半人前」くらい印象が違うというか。
そしてこのアニメの最大の弱点――モルさんが活躍しないと戦闘シーンがいまいち締まらないというところが今回顕著に見られましたね。モルさんのようなある意味脳筋的な戦闘だとゴチャゴチャ説明も要らないし、魔方陣やら呪文やらで時間を取られる事もないので戦闘作画についても非常にやりやすいんでしょうが、本作は後半になればなるほど戦術や大魔法を駆使した戦いになっていくので、今回のように説明台詞が長くて戦闘のテンポがそがれているような様子を見てしまうと、原作の良さをアニメ制作側が上手く引き出せているかどうか疑問符が浮かんでしまうわけで。
さて、残り2話、といったところでしょうか？ 今の展開を見るに、原作にあるマスルールさんの見せ場とか紅玉と某・元王子のフラグとか一切カットされそうな感じですが、十分に二期は狙える終わらせ方にするのではないかと邪推。

マギ 1 (少年サンデーコミックス)

しかし、今回もシンドバッドさんは悪い男でしたなぁ。紅玉が可哀想だ。