たこわさ

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僕は友達が少ないNEXT 第8話「俺の幼なじみが修羅場すぎる」感想

原作既読、前期アニメは視聴済み。
(以下ネタバレ)
文化祭の出し物で映画をやる事になった隣人部。夜空が見事な脚本を書き上げてくるが、あからさまに「ある意図」が感じられるキャスティングに一同は異を唱え……。
二期なって顕著な、「夜空と肉の逆転構造」の最たるもの、夜空が「柏崎星奈のあほー!」と叫びながら部室を飛び出すという事態が発生。
まあ、夜空が何のために隣人部を作ったのかは、恐らく他の部員は既に薄々感づいている訳で、それを踏まえての「昔なんかどうでもいい、大事なのは今でしょ?」という肉の発言は全くの正論なんだけれども、残念ながら夜空の精神はその事を受け止められるほど強くはなく。
ただ、夜空の方も本当は分っているんですよね。「お前さえいなければ(小鷹と昔みたいに過ごせたのに)」という夜空の言葉は本心なんですけれども、「昔の思い出が一番大事」と言い切った事に対して「じゃあ、今は大事じゃないのか?」と小鷹に問われて、なんとも言えない感情を込めて「困ったなぁ……」と答えたように、「今の隣人部の皆との時間(もちろん肉との関係も含め)は紛れも無く夜空の中で大事なものになっている」という事実については夜空も自覚しているんですよね。
本当に不器用で、対人関係では何一つ上手くいっていなかった夜空は、輝かしい過去の思い出だけを支えに生きてきた。だから、その唯一の支えだったものを否定するのが怖くて仕方がない訳です。自分の中に芽生えた「今が楽しい」という気持ちを自覚しつつも、やっぱり「思い出」を手放すことが出来ない臆病な少女の姿の、なんと痛ましい事か!
傍から見れば、夜空は文武両道・才色兼備な女の子なんですけれども、何分夜空本人にその自覚が無く、隣人部での自信満々な態度もただの内弁慶でしかない、本当に「自分に自信の無い少女」なんですよね。彼女に肉の1%でも自信があれば、楽しい人生が送れたことでしょう。*1
まあ、多分そんな彼女だからこそ小鷹は色々と世話を焼いてあげてるんでしょうが。ただ、慌てて誤変換したまま返信する程度には「夜空とのデート」を楽しみにしていたと思しき小鷹の気持ちを思うと、いくら自分に自信が無いからって野郎と二人きりのお出かけに黒ジャージはないだろう夜空さんw
適当に選んだ映画がセシボ〜ン連発な内容なところもいかにも残念でしたが、その後照れながら小声で「やっぱり小鷹もセシボ〜ンな事をしたいと思うのか?」と尋ねたり、猫カフェで普段のキャラが崩壊して猫まみれになる姿が死ぬほど可愛かったので私的にはOK!
しかし、今回の構成だと夜空にいい印象を持っていない人が夜空のいい所――特に隣人部の小鷹以外の面々の事も実は大切に思っている件を見落としていそうで、夜空派としては悲しいなぁ。

*1:しかし、多分今一番その思いを強く持っているのは理科でしょうね。