たこわさ

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賀東招二/なかじまゆか「甘城ブリリアントパーク」(1)感想

賀東氏本人の著作としては久々となる新作。皆が大好きなボン太くんも出てるよ!
(以下ネタバレ)

うん、何かエロゲーみたい――というのが半分位読んでまでの感想。フルメタ本編よりも短編寄りの作風、というと伝わりやすいかもしれませんね。
各種テンプレや時事ネタのパロディに加え賀東氏お得意のシュールな笑いが全編に盛られていて、「はっちゃけてるなー」とニヨニヨしつつ読み進めていたら、まさか後半で主人公と準主人公に犯罪を犯させるとは……間違いなく少年誌だったら掲載できないギリギリアウトのライン。おまけにヒロインの設定が気の毒すぎて切なさ乱れ打ち(?)。
あ、ちなみにここでいうヒロインとはもちろん表紙でドヤ顔している発砲女ではなくラティファ姫の事ですよ? もし今後いすずがヒロインポジションに収まる事になったら読者の8割は発狂するに違いない!
――閑話休題
まあ、そういう訳で全体的にエロゲノリの作風ながら、バックボーンやキャラクターはきちんと賀東節が効いていて最後には一抹の切なさを感じさせつつ失笑も誘う、という旧来のファンの方ならば安心して読める作品なのではないでしょうか?*1 マスコットキャラクター達のオヤジ振りもイイ。珍しく主人公がヒロインに対しての好意に自覚的だという所もいいですね。
なかじまゆかさんの描くキャラクター達もどれも可愛らしくて良いですね。私的にはヒロイン*2のラティファにメロメロドキュンです。
ああ、でもラティファの「リセット」設定は薄い本向(ry

2/21追記

そういや、主人公・西也のデザインモチーフって「コードギアス 反逆のルルーシュ」のルルーシュなんじゃないかと勝手に妄想していたり。「一度だけ××出来る」という能力を得た頭脳明晰・容姿端麗な青年が「年下の目が不自由な美少女の為に自ら手を汚す事を厭わない」という辺りがモロに重なるんじゃなかろうか、と。そういった意味で言えば、庇護の対象であり能力を授けた人物でもあるラティファはナナリーでありC.C.であるとも言えるかもしれませんね。

*1:アニメでの仕事振りも考慮するに、賀東氏は文章は少々あれだけれども設定やキャラクターの確かさについては恐ろしいまでに厳密だと思っているので、そういった気持ちで読むと面白さが格段に違うと思います。

*2:くどいようだけどヒロインはラティファだと思います。