たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

「俺が『俺妹』を一気読みするわけがない」

――そう思っていた時期が、私にもありました……。
(以下、原作及びアニメ版ネタバレ含む)

(追記)以下は最終12巻を読む前の感想です。12巻のあまりの不出来さに作品全体の面白さが台無しになってしまっています。少なくとも私は金輪際本シリーズと伏見ハゲつかさ氏の作品に関わりたいとは思いません。これから読もうという方はそこの所を覚悟の上どうぞ。



という事で、アニメ版を観る前は全然読む気がなかった原作版「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」ですが、アニメでの黒猫が可愛すぎて程よいコメディ具合が気に入ってしまって、とりあえず5巻まで購入――後、一気読みして翌日には最新刊まで全部揃えてそちらも一気読みしてしまいました。
いやいや、久々にライトノベルらしいライトノベルに手を出しましたが、変に伏線を気にしたりする必要もないので肩肘張らずに読めますし、純粋にキャラクター同士の掛け合いや話の流れだけを楽しむと割り切れば、やっぱり楽しいものですね。
で、7巻まで読み終わっての感想ですが……なんですかこの「俺の黒猫がこんなにもかわいい」は! 黒猫ちゃんマジ堕天聖!!*1
オタク文化を背景に、似たもの同士の兄妹が互いにいがみ合いながらも絆を取り戻していくホームコメディ――なんでしょうが、どちらかというと京介と黒猫のラブコメ振りにばかり目が行ってしまいましたわ。
京介氏マジ一級建築士*2
で、その京介ですが……アニメの三割り増し変態紳士ですね。しかも作中でどんどん変態レベルが上がっていっている。その様が悲しいような笑えるような。アニメしか知らないと色々と衝撃的ですが*3、基本的な人格が変わっている訳ないので好感度はあまり下がらなかったり。
好感度と言えば、京介と沙織双方の好感度もアニメで感じたよりも遥かに高いんですよね。京介の沙織への信頼レベルってかなり高いし、沙織もあのどこか余裕のありそうな態度が全て「演技」だったとすると、諸々の問題解決に当たっての京介への依存度と信頼度がいかに高かったか、ということになり。お互いの信頼度がMAX超えすぎてるだろう、と。沙織が素顔晒したのって実はそういう意味も多分にあったんじゃないかと愚考。ただ、沙織に関してはどちらかというと桐乃や黒猫の気持ちを優先しているような言動が多いんですけど。
ところで、本作の「ヒロイン」は妹である桐乃なんですが、……まあ、すいません嫌いじゃないけどやっぱり好きにはなれませんでした。
桐乃は、オタクである自分もオタクコンテンツも愛しているけれども、一般人にキモオタ扱いされる事を恐れて一歩踏み出せない隠れオタク、という設定な訳で、恐らく普通に一般人にまぎれて生活している数多くのオタクにとっては感情移入しやすいキャラクターなんでしょうけれども、隠れガチオタの私でも引くような徹底的なオタク振りは流石に厳しいw
しかし、アニメ版の桐乃は随分と贔屓されてましたね。黒猫の見せ場(主に京介とのフラグ)は大幅にカットされたけど、桐乃は逆に原作にあるエグ過ぎる表現がマイルドになっていたり無かった事にされていたり。そして何より、原作だと京介視点なので悪意的に解釈されている表情の数々が、第三者的には微笑ましいものとして描かれていたり。
同じように「ツンデレヒロインの原作での過激さをアニメでは出来るだけ可愛く見えるように補正」というと、真っ先に思いつくのは「涼宮ハルヒの憂鬱」の涼宮ハルヒですが、あっちは結構好きなんですけどね、私*4
なんにしても、7巻の引き方のせいもあり、すっかり8巻の発売が待ち遠しくなるほどに調教された豚と成り果ててしまいました。アニメの第二期も、原作側にストックがないので厳しいとは思いますが、コンテンツとして熱いうちに制作決定してほしいな、と。
――アニメといえば、つい最近まで「流石にアニメ版のBlu-ray買うほど好きな作品じゃないよなー」とか思ってたのに何故か手元に完全限定生産版1・2が揃っているんですが。

*1:ちなみに私は天使ちゃんは好きじゃないのであんまりこのネタを使いませんが、天使ちゃんと黒猫の中の人は大好(ry

*2:フラグ立てという意味において

*3:第一話の「お前がどんな趣味を持っていたってバカにしない」という台詞が凄く適当なあしらいだったとか。

*4:ハルヒの方が遥かに性格悪いけど、多分単純に人付き合いとかが下手糞なハルヒに対して桐乃はちゃんと社交的な振る舞いが(振りではなく)出来るという所が大きいのではないかと自己分析してみるが、あんまり深く考えると痛々しい内面に突き当たりそうなので止めておく。