(以下ネタバレ)
各所で「このアニメは予防線の張り方が上手い」みたいな感想を複数見かけましたが、同感だな、と。
今回描かれたさわ子先生達の「かつて」の姿って、まんま唯達と重なるんですよね。それが卒業していって大人になって結婚して……。
「けいおん!!」の物語も恐らくは「卒業!」で終わるんでしょうが、まず本番の前に「既に過ぎ去った過去」としてさわ子先生達の「卒業」する姿を視聴者の目に焼き付けておいて、来るべきその時を迎える心境を演出すると言うかなんと言うか。
オタクという生き物は、とかく「卒業」したがらないものです。時系列を完璧に度外視した「日常系」アニメが持て囃されるのも、そういった「いつまでも変わりたくない」という願望に直結している所だと思います*1。
本作の場合は、原作もそうですが時系列をきっちり描いてキャラクター達が着実に成長していく手法を取り入れています。ですが、それでもいざ「卒業」が近づいてくると、一部ファンは「終わり」を受け入れられずに混乱してしまうかもしれません。唯達が作中で卒業してアニメが終わっても、「楽しい軽音楽部」が永遠に続く事を願わずにはいられない心境に落ち込んでしまうかもしれません。
今回のエピソードは、そんな人達に対しては良い準備運動になったのではないかな、と。「伏線」ならぬ「予防線」とは実に言いえて妙。最初に考えた方には座布団一枚差し上げたいくらい。
- アーティスト: DEATH DEVIL,真田アサミ,KANATA,小森茂生
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2010/06/23
- メディア: CD
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