たこわさ

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次号で最終回! 今月の「鋼の錬金術師」が凄い!

少年ガンガン 2010年 06月号

少年ガンガン 2010年 06月号

と言う事で、アニメが6月で終了と言う事で予想されていた方も多い事でしょうが、名作マンガ「鋼の錬金術師」が遂に来月発売の月刊少年ガンガン7月号で最終回を迎えます。
そんな訳で、せっかくだから雑誌連載分を熟読しようと久々に少年ガンガンを購入して読んだのですが、いやいや圧巻圧巻。
(以下ネタバレ中尉もとい注意)

アル!
アルフォンス!!
くそ! こんな事があってたまるか!
こんな…こんなはずじゃ…
…畜生
持って行かれた……………!!

(「鋼の錬金術師」第1話冒頭より)

鋼の錬金術師」第一話は、人体練成の失敗から自らの片足と弟アルフォンスを「持って行かれた」エドの嘆きと叫びと苦しみから幕を開けました。つまり物語の始まりは「エドがアルを失った」場面から開始している訳です。
そして今回、

勝てよ、兄さん

機械鎧の腕を失ったエドを救う為、かつてエドが自分の魂を呼び戻すために失った右腕を、その魂と「等価交換」で呼び戻したアル。――エドは再びアルを失ったわけです。
思えば、エドの目的はただ一つ「アルの身体を元に戻す事」でした*1。言ってみれば「鋼の錬金術師」という作品自体が「エドがアルの身体を取り戻す為に悪戦苦闘する」物語であるわけです。その物語のクライマックスにおいて、再びエドがアルを失うという出来事は、よく考えてみれば必然だったのかもしれません。
そして、来るべき結末についても、下記のアルの台詞に如実に現れているのではないかと思います。

来る、絶対に

「真理」の前でアルは断言します、「兄さんは絶対に自分を迎えに来る」と。その絶対の信頼に、エドが応えない訳がありません。
「アルを失った」ことから始まった物語は、「アルを取り戻す」ことで終わるのだ、と信じながら最終回を心待ちにしたいと思います。

エルリック兄弟以外の面々も凄い!

今回は真の「オールスターキャスト」でもありました。
大佐・中尉コンビの抜群の連携。
姉と友の想いを受け取ったアームストロング少佐。
エド達を守り倒れたホーエンハイムやイズミ。
人外のもの相手に死力を尽くすブリッグズの面々。
苦渋の思いでアルの願いを聞き届けたメイ。
祖父の思いを引き継ぎ戦うランファン。
漸く自らが本当に求めていたものに気付いたグリード。
そして、バッカニアが遺した勝利への布石をかみ締めるアームストロング少将。
短いながらもそれぞれの想いが凝縮されておりました。
私的にはやはり、盲目大佐と瀕死中尉の名コンビぶりがツボでした。

アニメ版への再評価

また、今回の話を読んで思ったのが「やっぱりアニメは第一期のほうが格段に面白かった」ということ。
原作ファンからは賛否両論激しいアニメ第一期ですが*2、原作最終回の一歩手前まで来た今になって、少なくとも現在放映中の第二期よりは「原作の魂」をしっかりと受け止めた作品であったのだ、とはっきりと分かりました。
アニメ第一期最終回が、今回のエピソードと重なる展開であったという事に気づいた瞬間の感覚ときたら!
逆に、第二期は大まかな流れは原作準拠なのに、大佐やアルの大事な台詞が改変もしくはカットされていたり、あんまり意味の無い時系列の入れ替えが行われていたり「上っ面」だけなんですよね……。全く持って原作の持つ「熱さ」と「厚さ」が継承されていない。返す返すも残念。

最終回まで丸一ヶ月

と言う事で、勢いだけで感想を書き上げましたが、考えたら次号まで丸々一ヶ月あるんですよね。待ち遠しすぎて単行本全巻何度も読み返しそうなほどテンションが上がっておりますが、今日はこんな所で。

*1:他人には「元の身体に戻ったら〜」などと憎まれ口を叩いていましたが、アルには本音を見透かされており「二人でもとの身体に戻らなければ嫌だ」とまで言われている。

*2:残酷描写が多すぎたり、エドがありえないくらい泣き虫(原作だと回想シーン以外でエドは泣かない。泣けないアルの為に自分も泣かない)だったりといった「原作レイプ」が頻発していたため。私もそこら辺の要素はいまだに嫌いです。