怒涛の最終回。後一話欲しかったというのが本音。
（以下ネタバレ）
ナナリーに対してギアスを掛けられるのか？
それが、ルルーシュに突きつけられた最後の難関。しかし、ナナリー自身が拙いまでもルルーシュと同じ思想「世界の憎しみを一身に受ける人身御供となる事」に行き着いていたという事実が、ナナリーはもう自分の自身のしっかりとした意志で歩んでいるのだという事をルルーシュに気付かせた。そして彼は最愛の妹にも「ギアス」という嘘を吐いた。たとえ憎まれようとも、彼女に、そして世界に「未来」を遺す為に。
一方、スザクとカレンの最後の戦いは熾烈を極めた。ギアスの「呪い」により力を増したスザク。機体性能で勝るカレン。そしてお互いの「想いの力」は同等。結局その勝負は、どちらの勝ちとも言えない結末をみた。しかし、結局「目的」を果たしたという意味においては、スザクの勝ち、といえるのかもしれない。
そして、ルルーシュは世界を世界を力によって屈服させた。彼の目論見通り、世界は彼に憎しみを集中させた。誰もが、悪帝からの開放を望む中、ルルーシュの前に立ちはだかったのは――ゼロ。
散々あからさまに伏線を張られていたので、今更驚く人もいないだろうが、ルルーシュとスザクの目的とは、悪逆皇帝ルルーシュに世界の憎しみを一身に集めた上で、未だ世界の人々の中では神格化されている「ゼロ」という反逆者にそれを討たせ、世界を「一つに」まとめる事だった。そして、ゼロの仮面を被るのは、ルルーシュではなくスザク。
『願いとはギアスに似ていないか』
そうスザクに語るルルーシュが世界に残したのは、暴力に支配される人々の願いの象徴「ゼロ」――即ち「平和への願い」というギアス。
そしてスザクには、世界平和の為に友を、そして自分自身を殺し正義の味方の仮面を被り続けろ、というギアスを。私はここ数回の感想で「ルルーシュとスザクの関係はドライ」と書いたが、それは誤読だったらしい。スザクは、ルルーシュが何を考え何を一番望んでいるのかを理解し、そして自らの心を殺してまでルルーシュの望みを叶えた、真の「親友」だった、というのがたった一つの答えだった。
場の誰よりも早くルルーシュ達の目論見に気付きながらも、見ていることしか出来なかったカレンと神楽耶の心中は、如何ばかりのものだったろうか？ 苦い表情の星刻と扇も気付いていたかもしれません。玉城も気付いていたかもしれません。……「やっちまえゼロ！」とか言ってない事を祈ります。
「ゼロ」によって刺殺されたルルーシュ。恐らく、あの移動玉座のスロープも、民衆が満足するような派手な死を演出するためのものだったと思われるが、その真下にナナリーを配置したのは彼の最後の「個人としての願い」だったのかもしれない。せめて、最期はナナリーの近くで、という。
ナナリーがルルーシュの記憶を読み取ったのは謎。ただ、以前から手を握っている相手の嘘を見破る能力は描かれていたので、もしかするとギアスとは関係ないところ超能力的なチカラをもっていたのかも、と好意的に解釈。
また、直接描かれてはいないが、ジェレミアのギアスキャンセラーもまさしくこの時の為にあった、と言えるかも知れない。恐らく彼は、ルルーシュのギアスによって服従を強いられた人々の呪縛を解いた後に、静かにオレンジ畑に去って行ったのだろうと思う。
そしてラストシーン、どこかの農道をゆったりと場所に揺られるC.C.の傍らには折り鶴が。主要人物で折鶴と係わり合いが深いのは、ナナリー、咲世子、そして……。
「笑顔を与える」という約束を、「彼」は果たしたのかもしれません。しかし、その真偽について語るのは、野暮な事なのでしょう。あえて仮説を立ててみれば、「彼」は親しい全ての人々との別れ（＝死）を贖罪とし、後はただ一人との約束を果たす為だけに生きた、という所かもしれません。まあ、私的には彼は生き残る事を良しとしないだろう、とは思いますが。
作品全体への感想については、いずれ落ち着いた頃に。
そのほか気になった点
- 死に逝くルルーシュの走馬灯に一番最初に浮かんだ人物の姿に(´Д⊂ヽ
- ルルーシュの真意を知り、その死に号泣するナナリーの姿が気の毒すぎて目から塩水が……。でも、その悲しみからも立ち直れると判断したからこそ、ルルーシュは妹を突き放したんだろうけれども。
- 星刻は逝ってしまったのか……。
- 玉城は戦後バーを開店。きっと彼を放っておけない善意の人々の客足が途絶える事は無いでしょうｗ
- 扇首相。平凡であるが故に周りが支えてくれる内閣になりそう。
- 南は最後までロリ疑惑を残していきました。
- アーニャと一緒に隠遁だなんてオレンジ君もロリコ（ry
- しかし、それでもジェレミアは最高にかっこよかった！！！
- 神楽耶のその後が殆ど描かれていなかった気が……。
- 咲世子さんのその後も気になります。
