という事で、先日やっとアップしたナツ100ですが、これの縛りで一番きつかったのは、「現在でも比較的手に入りやすい、読みやすいもの」でした。
以下、その縛りのために涙を呑んでリストから外した作品の一部をば。
- 浦沢直樹・勝鹿 北星「MASTERキートン」
- 実はコレ、絶版本なんですよ! 理由についてはちょっとゴニョゴニョあるので割愛しますが……。間違いなく、漫画界で5本の指に入る名作なのにねぇ。
- 鷹城冴貴(川島博幸)「くおん…」
- 単行本2巻弱で打ち切られたのに、いまだに好きな作品として名前が挙がる隠れた名作。連載誌がジャンプじゃなくてサンデーとかだったら、きっと息の長い連載になっていたんじゃないかなぁ。
- 鷹城冴貴(川島博幸)「だかあぽ」
- 短編集。表題作「だかあぽ」他、鷹城節全開の名作を多数収録。
- あんど慶周「究極変態仮面」
- 少年漫画の主人公が、女物のパンティを被って変身するという問題作。これを連載させた当時のジャンプ編集部は国民栄誉賞モノだな!!
- 田丸浩史「スペースアルプス伝説」
- 少年キャプテンの廃刊で打ち切られた「アルプス伝説」を、単行本未収録分・書き下ろしを加えて復刊したもの。「ラブやん」ほど過激じゃないのが良い。
- 渡辺道明「ハーメルンのバイオリン弾き」
- 真面目にやっちゃうとシリアス過ぎる所が、この方の作品はどんな時でもギャグを挿入してくるから恐ろしい。アニメはシリアス一辺倒で原作ファンには不評でしたが(それ以前に紙芝居レベルの作画枚数が問題でしたが)。
- 西川秀明「ZMAN」
- 熱すぎるバトル系少年漫画で、藤田和日郎を超えられるのは西川秀明しかいない! と私に思わせた名作。
- 増田晴彦「風の騎士団」
- ここまでカッコよく「竜騎士」を描いた作品は他に無いでしょう! 準主人公のマズル=ハリアーの痺れるほどの漢らしさが素敵でした。雑誌変更とかの煽りを受けて、中途半端に打ち切られたのが残念。
- 水沢勇介「夢幻街」
- 少年ガンガン中期の名作。天狗になるたの法術「狗法」を身につけた主人公が、様々な怪異と戦う退魔師ものの佳作。これも雑誌変更の煽りもあって、打ち切り同然に終わってしまいました。
- 浅野りん「PON!とキマイラ」
- 毒気たっぷりだけどほのぼのとした非日常系コメディ。殺伐としていない所が好きです。
- 高田慎一郎「神さまのつくりかた」
- バトルの最中でも脱力系ギャグを忘れてくれない素敵なノリ。
- 上田信舟「女神異聞録ペルソナ」
- ペルソナの世界観をあそこまで再現できる漫画家は、他にはいないことでしょう。ヒロインと主人公の関係を、分りやすくちょっと改変してある所も○。
- 久保聡美「サリシオン」
- 私的には「陽炎ノスタルジア」よりもこちらの方が好きです。といっても色気ムンムンのニーチャン・ネーチャンが縦横無尽に大活躍するというノリは同じ(?)ですが。この作者、ファンタジーを描いたのはこの作品が初めてだったらしいのですが、中々どうして骨太の傑作ファンタジーです。
- 相川有・大塚英志「聖痕のジョカ」
- 実に大塚英志っぽいお話です。続編「聖痕のジョカ2」もあり、そちらは爆笑度が高い。読者からキャラクターを募集するというノリも、少年漫画的で良かったです。
- 吉永裕介「メタルウィンド」
- 名前の通り風のように疾走感溢れるバイク漫画。デビュー作という事もあり、かなり荒削りではあるんですが、作品全体に漂う独特の雰囲気がとても好きです。
- 小林たつよし「リトルコップ」
- 私と同年代でコロコロコミックを読んでいた人ならば、忘れられない作品なんじゃないでしょうか。小学生向け雑誌でガンアクションをやってしまった、という事実も今考えると凄い。
- かぢばあたる「ゼルダの伝説 夢をみる島」
- 私が知る限りにおいて、ゲームコミカライズ作品の最高峰であると思います。
- 中平正彦「RYU FINAL」
- ゲーム「ストリートファンター3」をリュウ視点でコミカライズした作品。PS2ゲーム「ナムコ・クロス・カプコン」中のスト2ネタの多くはこの漫画から出ていたりします。「STREET FIGTER ZERO」「さくらがんばる!」も合わせて読むと吉。
他にも結構あるんだけど、とりあえずここまで。こうやって見ると、漫画界は随分と過去の遺産を無駄にしてるんだなぁ、と。