たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

Fate/stay night 第19話「黄金の王」

見所はそれなりにあったのに、脚本の破綻振りで台無しか。
(以下ネタバレ)

アサシンは見事に散ったし、戦闘シーンの作画も普通だったのですが、戦闘の組み立て方が「はぁ?」という感じでした。
「我が刀を一撃で曲げるとは」って、日本刀で西洋両手剣受けたら、宝具じゃなくとも普通に曲がるワイw 原作バレしてしまうと、あのシーンは、今までセイバーの剣を「受け流す」事で防御していたアサシンが、必殺の一撃である「燕返し」を放つ為に、あえてセイバーの剣をまともに受けて、技を放つ隙を作った感じでしたが……。しかも、「刀が曲がったから必殺のはずの燕返しをセイバーがかわしきれた」という説明もなく、「刀が曲がった」という前フリが全く死んでいる訳で。なんだかなぁ。
士郎vs葛木も、相変わらず士郎が主人公補正で頑張っちゃってるようにしか見えず、その分視聴者がセイバーの強さに確信をもてない→セイバーに負けたアサシンも弱い、みたいな流れを作り出しているような気がしてなりません。葛木の強さの秘密にも全く説明が無かったので、結局「人間なのに何故かセイバーよりも強い人」で終わってしまった。それは色々台無しでしょう、と。
キャスターとセイバーが互角に戦えてしまっている所も違和感バリバリ。そもそも、キャスターの得意な魔術ではセイバーに傷はつけられない訳だし、マスターである葛木も(裏設定が原作通りなら)もうセイバーにその技は通用しない訳で。あそこは、「既にキャスターと葛木はセイバーの敵では無いが、セイバーが二人に肉薄した瞬間、キャスターの魔術で士郎や凛の命を奪う事も出来、にらみ合いに陥ってしまう。そしてキャスターはセイバー達にある取引を持ちかける……」位の流れの方が自然でしょうにねぇ……。
で、遂に金ぴかな人登場。しかしまあ、何かマヌケな登場の仕方です。原作だと、沢山の竜牙兵を一瞬で消滅させて、悠然と屋根の上に漢立ちして登場する訳ですが、台詞から入ると声の印象が第一に来てしまうんですよね、どうも。
そしてキャスター&葛木の最期。果たしてこの短い間に原作を知らない視聴者に二人の関係が伝わったかと不安になり、原作を知らない方の感想をいくつか見て回ったのですが、思いのほか評判が良くて吃驚。特に葛木は結構人気があって二度吃驚w
さてさて、問題はここから。
金ぴかの正体について話し合った士郎達が、金ぴかの宝具について語る件。原作ですと、凛が金ぴかが使っている宝具の殆んどが古今東西の有名宝具であることに気が付き、ますますその正体が分らなくなっていく中、士郎がその投影能力の影響からか、あれら宝具が少なくとも「偽物」では無いことに気が付き……という流れなんですが、アニメではあっさりと「全部本物」と認定してしまっていて、何だかな、という感じ。
また、何の疑問も無く「セイバーが前回の聖杯戦争にも参加していた」事を受け入れてしまっているのが、今までの脚本と矛盾。視聴者は第一話の前フリで何となく気付けるだろうけれども、士郎達はその辺りの知識ゼロなのに、なんですんなり受け入れているのか?
言峰に相談(?)に行った士郎が、何故セイバーが死後英霊化したのではなく、死の寸前の生身の状態で呼び出されたことを知っているのか? 本編じゃあ一回もその手の話は出ていなかったはずですが……?
士郎がセイバーの望みを知っていた事については、二人の記憶が半ば繋がっているという設定があるので矛盾とまでは言えませんが、それにしても時をぶっ飛ばしすぎな感あり。
何と言うか、尺が短い中で、原作の色々なエピソードを少しでも取り入れようという気概は分るのですが、その取捨選択が下手糞というか、器用貧乏な脚本になってしまっているというか。
次回はまた幕間のようですが、むしろそこら辺のエピソード削ってもいいから残り5話で今までのフォローしてくれ、というアホな要望さえ浮かんでしまいました……。