隆慶一郎「風の呪殺陣」

風の呪殺陣 (徳間文庫)

隆慶一郎作品は、長編は殆んど読了したんですけれども、中編となると中々本屋に置いてない事もあり、読み逃している作品が結構あったりします。この作品もそんな一冊。
「叡山焼き討ち」「呪殺」「一向一揆」という、中々魅力的な題材を扱ったこの作品、これでつまらなくする方が難しく、実際に面白かったのですが、正直ちょっと物足りない。
それもそのはずで、解説によれば当初は100頁程度の加筆修正を行ってからの単行本刊行だったのが、隆氏の死によって未完成（雑誌連載分）のままで終わってしまったのだとか。
非常に惜しい作品です。