たこわさ

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JASRAC、権利外の楽曲からも使用料徴収?

まあ、とりあえずリンク先をご一読下さい……。

さて、過去にMIDIサイトなどを運営していた方ならばよくお分かりかと思われますが、JASRAC様がまたまた「職権乱用」行為をなさっておいでです。
2001年7月、JASRACによる非営利個人サイトも含んだネット上での音楽配信に対する課金が開始されました。私もMIDIサイトの端くれとして、ネット上の反対運動に参加したり署名活動に協力したり、日夜大手サイト掲示板で意見を出し合ったり、……微力ではありましたが「どうにかならないか!?」ともがいていました。
JASRACやマスコミは「著作権法を知らない馬鹿が騒いでるだけ」のようなコメントしかしていませんでしたが、私が見た限りにおいては、素人ながらに著作権法を勉強し、打開策はないかと模索する方が多く存在しました。
中でも反対派が問題としたのは、「高すぎる上に内訳の不明な使用料」と「許諾が得られない場合、今後世の中に出る可能性が限りなく低くなってしまう楽曲の存在」でした。
使用料については、「1曲(入れ替え自由)で年間辺り1200円程度」と、一見すると安めの設定に見えますが、小規模サイトでも当時は10や20のMIDIデータを公開していた状況を考えると、決して安いとは言えません*1。しかも「入れ替え自由」となると、理論上は一日ごとにファイルを交換して年365曲配信出来る事になり、それで1200円という使用料は変わらないのだから、「著作権者に著作権料がきちんと入るのだろうか?」という疑問もありました。
また許諾制を敷く事によって当然発生するであろう、「著作権は有効だが著作権者が所在不明であり許諾が不可能な楽曲」が全く公開不能になってしまう状況。団体や企業が著作権を所持していたとして、その団体・企業が解散し権利関係が有耶無耶になってしまうと、JASRACを中心とした厳密な許諾制下*2では楽曲データの公開は著作権が失効するまで不可能になってしまうのでは? といった事が、主にマイナーゲーム音楽に特化したMIDIサイトの多くが危惧していた事でした。
今現在、ざっとネット上を見回しても、昔のように多くの活気あるMIDIサイトが活動しているような光景を見ることは出来ません。それが意味する所は「著作権違反のサイトが減った」と言う事では決してなく、「多くの楽曲が陽の目を見る機会を無くした」と言う事です。
今回冒頭で挙げた「銀河のほとり」さんの場合、ほぼJASRACとは関係のないオリジナル楽曲で活動していたにも関らず、半ば脅される形で著作権料の支払い*3を求められ、結果音楽活動の停止に追い込まれました。その一方で、億単位の利益を叩き出すライブで支払われた著作権料はわずか数十万だった、という話も聞きます。
著作権法は、著作権者の権利と利益を守るために必要な法律では有りますが、利益の還元と著作物の文化的利用という点では、現行のJASRACの体制に矛盾を感じてやみません。

少々早足に書いてしまったので色々と穴はあるかと思いますが、著作権問題やJASRAC問題について少しでも多くの方が考える機会になれば、と思います。

参考リンク
インターネット音楽著作物使用料、個人利用が年額1,200円程度にImpress Watch
JASRACの非営利HPの使用料徴収に反対!
JASRACを考える。
「著作権至上主義は文化の衰退をもたらす」

*1:一応、10曲で年間10000円という「お得な」プランも提示されていた

*2:JASRACが管理していない楽曲についても規制・監視をする事をJASRACは明言していた

*3:言うまでも無く、実益を全く無視した丼勘定