たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

直リンク容認? 否認? その3

さらに続き。
今回は所謂「無断リンク禁止」と「直リンク禁止」について。

俺も一時期「無断リンク禁止教」の信者だったわけですが、当時は趣味系サイト界隈では「リンクは交流の証」見たいな所が有ったし、全く面識の無いサイトに「知人です」と言ってリンクを張る脳死君も居たので、牽制の意味を込めて「無断リンク禁止」を謳っていた訳です。
「トップページに張ってください」というのは、「交流の証」とリンクを捕らえていたのだから、礼儀作法の問題も多分にあったんでしょうな。

「直リンク*1禁止」というのは、目次をすっ飛ばして作品を読まれる事を嫌ったがための文言。
これはもちろん直リンク原理主義の方々も否定してるけど、他サイトのコンテンツを自サイトのコンテンツに見せかけるような直リンクをするとか、そういう困ったチャンが多かったから、その手の注意事項が発達したと思われます。
ディープリンク禁止は、特にファイル構成を良く変更される方や絵描きサイトさんが挙げている場合が多いですね。

で、「無断リンク禁止」は上記のように礼儀作法の問題を多分に含んでいたわけですが、現在ではアクセス解析も発達し、ブログツールのようにトラックバック送信で容易に参照報告が出来、ディープリンクも推奨されるような仕組みも発達してきたので、無断リンクが交流に反しないようになって来ました。
そして、そもそもリンクというもの自体は適切であれば許可・報告を取る必要がない、というのが法律上の通説になっている事を付け加えておきますが、個人的にはこれはあくまで「権利」であってそこには節度が求められるべきだと思っています*2

対して、「直リンク」について。俺は自分のサイトで「リンクはTOPページ」を推奨していますが、これは過去のファイル等全てに無粋なアクセス解析をつけるに忍びない*3という理由や、参照目的以外の直リンクを嫌っているためです*4
「参照目的以外の直リンクなんてあるのか?」という声が聴こえてきそうですが、例えばネタ画像紹介系のサイトがあるとして、リンク方法はアンカー部の簡単なコメントだけとしましょう。で、リンクをクリックすると別窓で画像が開くわけですが、この場合閲覧者は絵を見た後どういう行動に出るでしょうか? URLを遡って掲載元がどこなのか見てみますか? それとも満足or落胆してそのまま閉じる? こればかりは統計でも取ってみないと分からないでしょうが、後者の方が多いように感じます。

よく直リンクを本に例えて「”この本のここの部分が面白い”と人に見せて勧めるのは禁止される事ではない」という主張を目にしますが、それは物理的に存在する本と電子的に存在するwebサイトを混同しているだけだと思います。
本は部分的な紹介をされても、その部分が本体から切り離される訳ではありませんから、一つの存在として同一性は保護されるわけです*5。が、Webサイトはそれぞれが独立したファイルな訳ですし、リンクを辿って画像だけが表示される状態と言うのは、本体から部分的に切り離して見せているのとなんら変わりは無いと思うのです。「アドレスバーにURLが表示されていれば部分的に切り離したことにはならないのでは?」との意見も有りそうですが、それこそ物理的な同一性と電子的な同一性を混同しているし、何よりあなたはあるサイトのリンクをクリックする度に、アドレスバーを見てそれがサイト内リンクであるのか外リンクであるのか確認するのですか? 普通はしませんよね? 何故ならば大概の場合リンクというものは、アンカー部のテキストor画像からリンク先が何なのか判断できるんですから。俺が直リンクを完全に推奨できないのは、それが原因です。

アンカー部や併記で(参照元:サイト名)の様な形で参照元を示す積極的提示と、リンクだけはって「参照元サイトはどこなのかは閲覧者に確認してもらう」という消極的提示は本当にイコールなのでしょうか? それは、単にリンクする側の怠慢を正当化するための方便なのではないでしょうか?

俺は、何度も言っている通り直リンク自体は肯定的に捉えていますが、どうしてもこの点だけは理解できない。第一、直リンク原理主義の人々の言は、法的な根拠ばかりを主張してばかりてい、モラルについて語っているものを殆んどみたことがない。法を遵守してさえいれば、モラルなどどうだっていいという事でしょうか? なるほど、モラルハザードはインターネットから始まっているわけですか。ここは素敵な世界ですね!

……冷静なご意見求む。

*1:ディープリンクでも殆んど意味は同じか

*2:例えば「儀礼的無関心」のような、情報発信者に対する閲覧者の配慮

*3:というか、昔のファイルのソースをいじるのに気が進まない

*4:はてなのように直リンクされる事前提の場では、もちろん推奨しています

*5:「引用」は全く別の行為ですし、コピーして配布して見せる事は推奨されないでしょう