たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

西尾維新「ヒトクイマジカル」ISBN:406182323X

ちょいと前に読了しておりました。以下感想。
ゴミ。以上。
……というのはあんまりなので、無理して書きます。ネタバレ部分は背景と同色にしてあるので、ネタバレOKな方は反転してお読みください。


何が酷いって、これはどうやらファンの間でも不評らしいのですが、メインのトリック。双子ネタは見飽きたって言う以前に、サイコのパロディでしかない肉体のスペアだとか記憶の共有だとかそういうネタを平然と持ってくる作者の思考回路が酷い。
で、毎回毎回文句をつけることに暇が無いのが文体なのだけれども、もう限界。子供の言葉遊び同然の文章が延々と続くのは勘弁して欲しい。
で、相変わらず京極夏彦上遠野浩平劣化コピーのような展開。そこに奈須きのこを足して100で割れば完璧だ。文体は百歩譲って黙認するにしても、御大達の真似にさえなってない。キャラクターが設定だけ。言ってみれば、「演出不在の舞台しかも役者は一夜漬け」みたいな?
後、いつにもましてオタクネタが多い。しかも表現が直接的に過ぎる。固有名詞をそのまま出せばいいってモンじゃないし、ネタが分からない人にもそれがどういうものかが、何となく分かるような書き方さえしてないので質が悪い。悪い意味で「同人誌的」に過ぎる。
そういうのをうっちゃっておいても見逃せないほど酷いのが、今までは「非現実よりの現実」だった世界観をまるっきり「現実よりの非現実」にしてしまった点。今までは、超能力の実在だとかそういった「非現実より」の事柄を「あるかもしれない」程度で済ませていたのが、今回は断定的に「ある」という事にしてしまっている。作者の頭の中じゃ元からそういう発想だったのかもしれないけれど、作品だけ読めば今回でいきなり世界観が改変されてるようにしか取れない。都合のいい世界観の改変が許されるのは、この世で鳥山明だけじゃ、ボケィ。

何よりも気に入らないのは、いつもの如く主人公の性格なんだけどね。何すかね、あの自意識過剰さは。正しく作者の分身という事ですか? なあ、いーくんw ま、そこは個人の好みもあるだろうから、評価とは関係ないけど。


そんな訳で、借り物にも拘らずこき下ろしてみました。あー、早く次回作が読みたいな。